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善きことをした高校生達

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カンボジアへ手作り絵本を 市民に協力呼び掛け街頭募金

兵庫県 神戸学院大学附属高校 カンボジアボランティア部のみなさん

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世界遺産「アンコールワット」などで知られる東南アジアの王国カンボジア。日本とは徳川家康の時代から交流のある同国は、1970年から約20年続いた内戦や、75年に樹立したポル・ポト独裁政権時代に、多くの知識人や教育者が虐殺されたり、学校が破壊されたことなどにより、いまも学校不足、教育者不足という問題を抱えている。そのため、農村部を中心に読み書きの不自由な国民も多く、字が読めない人がだまされて違法な契約書に署名し、トラブルに巻き込まれる例もあるという。

2年前、こうしたカンボジアの実情を知った神戸学院大学附属高校(神戸市兵庫区)の生徒たちは、「カンボジアの子供たちの識字率を上げよう」と立ち上がった。すぐに「カンボジアボランティア部」を結成。子供たちに言葉や文字を学んでもらうのに最適な教科書は、と考え、企画したのが、自分たちで絵本を作り、贈ることだった。

初めて制作したオリジナル絵本は、「花」と題され、昨年夏に完成。植物の大切さを伝える物語で、公用語のクメール語と英語、日本語の三言語を併記。子供たちにわかりやすく読みやすい言葉づかいや、親しみやすい優しいタッチの絵を添えるなどの工夫を凝らした。100部を印刷し、カンボジアの農村部を巡る移動図書館に寄贈した。

そして今年、2冊目となる創作絵本のテーマに選んだのは「親切」。その制作にあたって必要な印刷費をまかなうため、部員をはじめ16人の生徒が3月31日、神戸市のメーンターミナル三宮で募金活動を行った。生徒は、買い物などで行き交う人々に「カンボジアに絵本を贈ろう」と訴え、「子供たちが言葉を学び、幸せに暮らせる日が来るよう、ご協力お願いします」と呼びかけた。多くの市民から支援の寄付金が寄せられ、参加した生徒は「カンボジアでは絵本の数が少なく、特に地方では子供向けの本がほとんど無いと聞いている。いただいたお金を生かして、できるだけ多くの絵本を作り、プレゼントしたい」と話していた。

国際的視野を養うグローバル教育に取り組む同校は、自然の恵みを忘れず、自分を見つめ、たゆまず学び、積極的に行動し、社会とともに生きる人間の育成を教育理念に、学びの中で得た知識を動員して自分で考え、行動する「行動知力」を習得する教育をめざしている。

カンボジアボランティア部の生徒の活動は、その成果の表れであり、「苦しい生活を強いられている子供に、笑顔の種を届けたい」という部員の言葉は、その証といえるだろう。
(2007年6月掲載)
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