山口県 徳山高校 科学部物理班のみなさんの善きことニュース

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善きことをした高校生達

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忍びの盗聴器「些音聞金」のナゾ解明 忍者はサイエンティスト!

山口県 徳山高校 科学部物理班のみなさん

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戦国時代の諜報員「忍者」。情報収集に様々な道具を開発したが「些音聞金(さおとききがね)」もそのひとつ。縦7p、横3p、厚さ3oの真ちゅう製の板で、耳元に近づけて離れた場所の会話を聞き取る時に用いた。戦国時代の忍術の秘伝書『忍秘伝』に登場するが、聞き取るメカニズムは書かれていない。

2021年、山口県立徳山高校科学部物理班の当時2年生だったメンバーが、学校図書にあった同書で「些音聞金」を知り、ナゾ究明の取り組みを始めた。

研究に使う「些音聞金」は地元の鉄工所に依頼。当初、「些音聞金」は音を大きくするとの仮説を立てて実験を行ったが、人間の声の高さでは音を増幅する効果はなかった。そこでメンバーは視点を変えて実験したところ、虫の鳴き声や雨音のような高い音を弱める効果があることが分かった。

2022年秋、先輩の研究を受け継いだ2年生が、「些音聞金」に似たステンレス板と3Dプリンターで加工した部品を組み合わせた器具を作製。集音用のマイクを取り付け、人の声の聞きやすさを比べたところ、雑音が軽減され、話し声がより鮮明に聞こえるノイズキャンセリング効果があることを突き止めた。

メンバーは今回の研究成果で12月に開催された「第20回高校生・高専生科学技術チャレンジ」の最終審査会で5位に入賞。2023年5月、米国で行われる世界最大級の高校生科学コンクール「国際学生科学技術フェア」の出場権を得た。

「地味な作業の連続でつらいこともあったが、多くの人の支えで結果を出せてうれしい」と喜ぶメンバーは「忍者が物理法則を駆使したサイエンティストだったことを世界に知らせたい」と話していた。
(2023年2月掲載)
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