静岡県 田方農業高校 造景部のみなさんの善きことニュース

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善きことをした高校生達

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沼津・千本浜公園の松の樹勢回復調査続けて6年 市が感謝状

静岡県 田方農業高校 造景部のみなさん

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静岡県立田方農業高校の造景部は、自校の樹木や生垣等の剪定管理や同窓会会館の庭園整備を行い、休日を利用した地域貢献ボランティア活動を行う。

活動内容で評価や注目を集めているのが、学校や公園、街路樹、松原等の樹木の樹勢回復処置である。樹木の健全度の向上をさせるためには、根の健全度や根圏の状態を改善する必要がある。

10年以上続く研究成果としては、地元、田方郡函南町の街区公園、さくら公園のソメイヨシノの樹勢回復処置を行う。根系の回りの礫などを取り除き、深さ1.5mの割竹縦穴式挿入法において、地下の通気透水性の改善を行い、割竹の回りに牛糞たい肥等を入れる。

サクラの樹勢回復につながった。さらに、同県、駿東郡清水町の旧東海道の松並木の樹勢回復では、世界遺産、三保の松原に先駆けて、木炭や外生菌根菌をマツ根に接種を試みた。

結果、樹勢回復が確認された。

2014年からは、沼津市を代表する景勝地、千本浜海岸林のマツ林、約1ヘクタール100本の衰退度調査や樹勢回復処置を行う。樹木診断様式(日本緑化センター編)を用い、衰退度調査を実施。生育不良の樹木が多いことに気がつく。沼津市緑地公園課に許可申請を行い、樹勢回復処置を実施した。土中を掘ると、クラベル層が約40cmから5cmあった。これでは、根系発達障害になり、地上部の生長を悪くさせる。マツの回りを地下1.5m掘り下げ、土壌改良処置を行う。クラベル層の除去と割竹縦穴式挿入法の実施や、本校の植物工学室で培養している外生菌根菌を5種類根に接種を行い、木炭の施用を行った。

2019年10月一部のマツから外生菌根菌の子実体が発生した。菌根菌と樹木の根が共生をはじめた。菌根菌は、根が進入できない所まで菌糸を伸長させ、水分やチッ素、リン酸、カリウム等の栄養素を共生している樹木に供給する。

本年3月に同部の6年間に及ぶ、マツ林の樹勢回復処置が評価され、沼津市から感謝状が贈られた。

全国的に白砂青松の松原の樹勢衰退度が懸念されており、同部のマツ根の外生菌根菌の接種においては、一年後に世界遺産の三保の松原の樹勢回復処置でも行われた。部員達は、東日本大震災の教訓から、津波に強いマツ林の形成を目指した。また、「私たちの活動が健全なマツ林の形成のモデルケースになればうれしい」、「今後とも地域貢献を目的とした樹勢回復処置の研究を進めたい」と話していた。
(2020年5月掲載)
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