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善きことをした高校生達

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アフリカ・マリの人々に学ぶ喜びを 学校建設費用を寄付

宮城県 宮城学院高等学校 全生徒のみなさん

1886年(明治19年)、キリスト教に基づく人格教育を行う女子学校として創設された宮城学院高等学校。「神を畏れ、隣人を愛する」をスクールモットーに、神を畏れる謙虚さをもって真理を探究し、隣人愛に立ってすべての人を愛し、人類の福祉と世界平和に貢献する女性の育成を教育目標としている。その優れた成果の現れが、生徒による積極的なボランティア活動だろう。

多彩なボランティア活動の中で、2004年からスタートしたのが、アフリカ・マリ共和国の貧しい人々への教育支援ための募金活動だ。きっかけは、同年の高校2年の英語の教科書に、マリ共和国を支援する非政府組織(NGO)のCARA(西アフリカ農村自立協力会)の活動が紹介されたことから。感動した生徒の「英語を勉強して終わりではなく、自分たちで何かできないか」の声で、義援金を募る活動が始まった。

募金活動の場の一つが、毎年9月に開催される高校の文化祭。生徒の手作り品のバザーで、識字率が低く、自分の名前さえ書けない人が多いことなどマリの現状を来場者に訴えた。共鳴した保護者などの来場者が商品を次々と購入。また、姉妹校の中学校やPTA、教職員も協力し、心温かな義援金を集めることができた。

お金はCARAを通じて送り、学校の建設費のほか、文房具代などに充てられた。手回しミシンや刺しゅう用具、玉ねぎ貯蔵庫の購入費にも使われ、女性の就労や生活改善に役立っている。

2008年3月には、日干しれんが造りの平屋で、30人が学べる「識字学校」が竣工した。学校では、連日、多くの老若男女が登校し、読み書きや計算の基本を学んでいる。また、学校の建設費は23万円で、入り口脇に宮城学院の寄付で建てられたことを示す文字が記されている。

募金活動を推進している生徒は、「わたしたちの学校も122年前、外国からの支援で生まれた。先輩から受け継いだ活動が、マリなど発展途上の国々の教育の底上げや、人々の貧困の克服につながればうれしい」と話す。

そして、仙台市青葉区の仙台国際センターで開催された「せんだい地球フェス2008」で、同校の活動の成果が発表された。また、フェスタでは、CARAの代表が、識字学校の活用状況を報告した。

同校の生徒代表2人とOGの計4人も参加し、文化祭収益金と元教職員のカンパの計26万8509円を、支援金としてCARAの代表に手渡した。義援金を受け取ったCARAの代表は、「国の多額の援助も大切だが、少額でも現地の実態に即した支援が自立につながる。生徒の活動がどれだけ力になっているか」と感謝の言葉を述べていた。

宮城学院高等学校の生徒は「この義援金活動は、先輩たちが築き上げてきた大切な活動。わたしたちもキリスト教の教えを生かし、しっかりと受け継いでいきたい」と話していた。
(2008年11月掲載)

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