世のため、人のために立派な行いをしている高校生達を紹介します。
高校生達の活躍を、ぜひご覧ください。
最新のニュース
■ 非常食をいつもごはんに レシピ考案、大賞・準大賞受賞 宮城県 多賀城高校 災害科学科の1年生
■ 300年続く村伝統の獅子舞テーマに絵本制作 保存継承に一助 (奈良県 添上(そえかみ)高校 普通科人文探究コース3年生のみなさん)
■ 津和野の人と町の魅力知るサイクリングツアー 中学生と保護者対象に 島根県 津和野高校 2年生と3年生、2人の生徒たち
■ 地域の海岸を守るハマボウフウを増やそう 今年も苗を植え付け 島根県 出雲農林高校 植物科学科のみなさん
■ ロゴは岡山弁 倉敷市産帆布製バッグ製作 市の特産品PRイベントに出品 岡山県 倉敷工業高校 テキスタイル工学科のみなさん
■ 地震に続く豪雨被害 能登半島の復興願い、支援、これからも 滋賀県 八日市南高校 地域支援活動部のみなさん
■ ダメ!ながらスマホ 自転車の危険運転、改正道交法で罰則強化 佐古駅前で周知活動 徳島県 城北高校 生徒会・生活交通委員会のみなさん
■ 佐賀国スポ・全障スポ 活躍選手に贈る木製の盾とメダルを作製 佐賀県 唐津工業高校 建築科3年生のみなさん
■ ふるさと納税返礼品の外箱に、韮崎の魅力、イラストで発信 山梨県 韮崎高校 美術部・イラスト部のみなさん
■ ボランティア不足に対応 若い力で7月豪雨被災地の土砂撤去 山形県 酒田光陵高校 生徒のみなさん
■ お年寄りも笑顔 お豆ゴロゴロ健康カレー開発 島根県 矢上(やかみ)高校 「食と農研究会」のみなさん
2022年から始まった『非常食アレンジレシピコンテスト』。山形市の日用雑貨・防災用品卸の企業が主催する「防災」と「非常食」に興味を持つ学生を対象にしたコンテストで、スープトマトを使う部門と、ドライカレーを使う部門の2部門あり、長期保存食ないし備蓄食材のいずれかと組み合わせることがレシピ作成の条件となっている。
3回目となる2024年は、「非常食をいつもの食事に溶け込ませよう」をテーマに開催され、宮城県多賀城高等学校からは災害科学科の1年生2人が参加。ほとんどの学校がチームでの参加だったが、2人は個々にレシピを考案して大会に挑んだ。
1次審査を通過した10のアレンジレシピが10月の決勝大会に進み、同校の2人が大賞と準大賞に選ばれた。
大賞受賞の生徒が作成したのは、炒めたタマネギ、ジャガイモ、鶏肉などにトマトソースを加えて煮込み、牛乳で浸した乾パンとチーズをのせて焼いた「非常食を使ったグラタン」。賞味期限が切れる前の非常食を食べて補充するローリングストックの利点を生かして、今大会のテーマ、普段の食事としても美味しく食べることができるレシピを考えたという。そして、今回の経験や災害科学科での学びを生かして、将来は沢山の人の健康に寄与していきたいと意欲を見せる。
準大賞の「トマトスープを使った蒸しパン」を考案した生徒は、初めは緊張したが、プレゼンではレシピに込めた防災への意識など自分の思いをしっかり発表できた。「美味しい」と言ってもらえたことがすごく嬉しかったと話し、この経験をこれからに活かしていきたいと決意を述べていた。
(写真提供:非常食アレンジレシピコンテスト事務局)
(2024年12月掲載)
創立以来約120年の伝統を紡ぐ奈良県立添上高校の生徒が、同県曽爾(そに)村に伝わる獅子舞をもとに創作した絵本「そにむらゴンちゃん!」を、同村に寄贈した。
制作したのは人文探究コースで学ぶ3年生。同コースでは、国立青少年教育振興機構主催の全国高校生体験活動顕彰制度『地域探究プログラム』を活用。村と連携し、村民との交流を重ねる中で、村の様々な課題解決に向けた探究活動を進めている。その中で村の伝統文化について調査したグループが、約300年続く村の伝統芸能で、毎年10月、門僕(かどふさ)神社の例祭で奉納される『曽爾の獅子舞』の保存と継承につなげたいと、企画した。
獅子舞は後継者不足などで伝承が難しくなって来ているといい、生徒たちは、獅子舞の演目の一つ『道化獅子』を原作に、門僕神社で遊んでいた獅子舞のゴンちゃんが木の根元で眠っていると、天狗のテンくんや村人たちが「起きろ!」と囃し立て、怒ったゴンちゃんが「みんなと遊びたいゴン」と訴えると、村人たちが「いいよ!」と応え、楽しく遊ぶストーリー。
生徒たちは、子どもたちにわかりやすい、親しみやすい文章を心がけた。ゴンちゃんなどのキャラクターの愛らしさを、優しい水彩タッチで表現したと話す。
2023年に顕彰制度関西ステージ発表の際に動画を作成。同校のYouTubeにアップしていたが、子どもたちにも広く知ってもらおうと、絵本として60冊を製本。小・中学校や保育園、図書館などに配布することにした。
生徒たちは幼稚園に出向いて絵本を贈ると共に、園児に読み聞かせ活動も実施。子どもたちも興味をもって、静かに聞いてくれたと、笑顔で話していた。
(2024年12月掲載)
島根県立津和野高校の生徒が、同校に関心のある県外の中学生と保護者を対象にした「人巡りサイクリングツアー〜一緒に地域の人に会いに行こう〜」を開催している。
企画したのは県外から入学した2年生と3年生の2人。親元を離れ、知り合いのいない町での生活が不安だったという2人は、魅力的な町の人々やお店と出会うことで、不安を取り除いてきた体験を紹介することで、安心して津和野高校を選んでもらえたらと、自転車で津和野町を巡るツアーを発案した。
生徒は、高校生のやりたいことをサポートする教育魅力化コーディネーターや教員、津和野体験ツアーを行っている地元観光業者の協力を得て、総合的な探究の時間の授業や放課後に準備した。
2024年3月、初めての「人巡りサイクリングツアー」が、『津和野の楽しみ方』をテーマに実施された。参加した中学生は「入学前に地域の方と繋がれて安心した」と大好評。
7月、『これがツコウ生の夏休み』をテーマに開催された第2回に続いて、3回目のツアーが10月に行われた。
テーマは『私たちの大好きな人、紹介します!』。2人が日頃お世話になっているカフェや寮の近所の住民宅を訪問。店主や住民から「何かあればいつでも声かけてくださいね」との声掛けに、参加者は「町の人がとにかく暖かい」「津和野町での生活の様子がイメージできた」と話していた。
今回が最後となる3年生は、サイクリングツアーでの経験から「大学では地域づくりについて学びたい」と意欲を見せ、残る2年生は、「次は入学予定者に向けたツアーを開催したい。来年のオープンスクール時も開催しようと思っている。今までの経験も活かして津和野の魅力が中学生や保護者さんにも伝わるようなツアーにできるよう頑張りたい」と意気込んでいた。
(2024年11月掲載)
島根県立出雲農林高校の植物科学科の生徒は、2010年から出雲市の長浜海岸の「ハマボウフウ」に関する研究活動に取り組み、種子の採取から種まき、発芽した苗の育成、海岸の自生地での苗植などを推進。2016年にはこの活動が認められ、日本砂丘学会最優秀賞を受賞している。
ハマボウフウはセリ科の多年草で、根を深く張り、地面を覆うように生えるため、50年以上前に、長浜海岸の砂の飛散防止対策として植えられた。ただ、春の味覚として人気があり乱獲が進んだため激減。海岸近くの住民らがハマボウフウを増やすための保護活動を始め、同校生徒も協力して自生地の復活に取り組んできた。
また生徒たちは、総合的な学習の時間で「ハマボウフウプロジェクト」を進めている出雲市立長浜小学校の5年生と交流活動を行っており、2023年秋、協力して採取した種を、2024年春に生徒と児童が育苗ポットにまき、発芽した株を育ててきた。そして9月19日、長浜海岸で苗の定植を実施した。15回目となるこの日は、植物科学科の2、3年生7人と、5年生約70人が参加。海岸を清掃した後、子どもたちは高校生に植え方を教わりながら、180株の苗をスコップで掘った砂地に丁寧に植えていった。
「初めて植えた。元気に大きく育ってほしい」という児童の言葉に、指導した生徒は「子どもたちが頑張って植えてくれて嬉しかった」「こうした活動を通して、少なくなっている植物があることを知ってもらえたら」と語り、植えたばかりのハマボウフウに「しっかりと根を張って、砂が飛ぶのを防いでほしい」と願っていた。
(2024年11月掲載)
社会に、地域に貢献できる工業人の育成を目指す岡山県立倉敷工業高校。地域や地元企業と連携したものづくりや商品開発などに力を入れている。
テキスタイル工学科の生徒も、倉敷市の帆布メーカーとコラボしたバッグづくりを展開。これまで2年生や3年生がSDGsを視点にデザインしたオリジナルエコバッグを製作し、地元百貨店で展示・販売している。
2024年は、1〜3年の有志生徒15人が岡山弁をロゴに使用した帆布製トートバッグを製作した。生徒たちが選んだ岡山弁は、「なんですか」を意味する『なんなん』と、「スゴい」の意の『ぼっけえ』の2語を『NANNAN』『BOKKEE』と大きなローマ字で表現し、スタイリッシュなデザインに仕上げた。
今回の取り組みは、10月6日に倉敷みらい公園で開催する恒例の特産品PRイベント「〜至極の逸品〜くらしきフェア」からの声かけに応え、初めての出店となった。
生徒たちは、授業で企画から製作、販売までを実践しており、今回は4月から作業をスタート。SDGsの考えから、授業で余った帆布やデニム生地の端切れを利用。デザイン、型紙から縫製などすべて自分たちで進め、レッスンバッグやデニムバッグ、ポシェットなど色やサイズ、用途に合わせて選べるよう約50点を用意した。
フェア当日は接客も行い、「どれも心を込めて作った一点物」という生徒たちの呼びかけに、立ち寄った観光客などがお気に入りのバッグを購入。笑顔で見送る生徒たちは、岡山弁と帆布をはじめ地場産品の魅力を知ってもらえたらと願っていた。
なお、売上げの一部は、地震や豪雨被害にあった能登半島の被災地支援に役立てる予定という。
(2024年11月掲載)
滋賀県立八日市南高校の地域支援活動部は、東近江市の子どもたちに防災啓発のための寸劇を披露するなど、地域支援のボランティア活動や東日本大震災の被災地、東北でのボランティア活動など、さまざまな支援活動を実施してきた。
2024年は、1月の大地震と9月の豪雨で大きな被害に見舞われた能登半島の支援活動を続けている。震災後すぐの1月19日から5回にわたって、八日市駅前のショッピングセンター前で募金活動を実施。石川県の高校生とビデオ会議システム「zoom」での交流、6月には「復興支援2畳だこ」を製作。たこの裏面に、石川県や東北、滋賀県の高校12校から寄せられた復興を願う「願い札」を貼り、7月の終業式後に大空に揚げられた。また夏休みには被災地を訪れ、自分たちで育てた野菜を仮設住宅の住民に配り交流を行った。
9月21日から22日にかけて能登半島を記録的大雨が襲った。復興途上の中で20を超える河川が氾濫し、仮設住宅への浸水も。
部員たちはすぐに立ち上がった。10月12日、同じショッピングセンター前で募金活動を展開。「能登半島水害募金」と大書した横看板を掲げ、通行人や買い物客に「ご協力をお願いします」と呼びかけると、地震に続く水害に能登半島の人々を心配する多くの市民が、募金に協力していた。
参加した部員は「復興が1日でも早く進んでほしい」「募金を通じて東近江市民の思いが被災地に届いてほしい」「私たちの活動が防災意識を高めるきっかけになれば」と話す。募金活動は11月にも行われ、集まった義援金は日本赤十字社を通じて被災地に届けられる予定だ。
(2024年11月掲載)
2024年11月1日、徳島県立城北高校の生徒会役員と生活交通委員会のメンバーが、同日、自転車の危険運転への罰則が整備された改正道路交通法の周知活動を、徳島市のJR佐古駅前で実施した。
近年、自転車を運転中にスマートフォンを手に通話したり、画面を注視したりする「ながらスマホ」が原因の交通事故が増えており、警察庁の統計によると、2023年の1年間で139件と10年前の2倍以上も増加した。
今回の改正道路交通法では自転車の「ながらスマホ」は禁止となり、違反者は、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金。交通事故を起こすなどの危険を生じさせた場合は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金と、罰則が強化された。
「酒気帯び運転」(呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上のアルコールを身体に保有する状態で運転すること)も、3年以下の懲役または50万円以下の罰金。飲酒運転をするおそれがある人に、お酒や自転車を提供するなどした人も、同様に罰則の対象となる。
当日の活動には徳島県警の警察官と県立城ノ内中等教育学校の生徒も参加。自転車の利用者や歩行者に「ながらスマホはやめましょう」と呼びかけ、『自転車のスマホ・酒気帯び 罰則強化』などと書かれたチラシを手渡した。
今回の交通安全キャンペーンに参加した生徒は、ながらスマホは、重大な交通事故につながるとても危険な行為と改めて思ったといい、「自転車が凶器になることを自覚して運転したい」と真摯な表情で話す。
県警交通企画課の担当者は「今回の施行をきっかけに、きちんと交通ルールを守って自転車を運転してほしい」と訴えていた。
(2024年11月掲載)
1946年から始まった「国民体育大会」が、2024年から「国民スポーツ大会」(国スポ)へと新たなスタートを切った。その最初の大会が、佐賀県で開催され、「国スポ」は10月5〜15日、続いて「全国障害者スポーツ大会」(全障スポ)が10月26〜28日の日程で実施された。
佐賀県大会では、唐津市が市内で行われる競技で活躍した選手を独自に表彰することになり、贈呈する木製の表彰楯とメダルを、バスケットボールの会場になった県立唐津工業高校の生徒たちが製作した。
取り組んだのは建築科の3年生7人。
同科の生徒は、玄海町の浜野浦棚田保全グッズとして、絵馬、キーホルダー、募金箱などの製作や、唐津市に木製ベンチを贈るなどの地域貢献活動を実施しており、今回の活動は唐津市の依頼に応えた。
製作したのは「バスケットボール最多得点賞」「軟式野球MVP」など、5つの正式競技で活躍した選手一人一人に贈る表彰楯(縦18cm×横12cm)を44個、競技順位表彰者に贈るメダル(直径5cm)は、正式6競技、公開競技1競技、全障スポ2競技に945個。
「放課後はほぼ毎日、夏休みも使って結構大変だった」という7人だが、日頃の授業で身につけた知識と技術を活かし、5ヶ月かけて完成させた。
デザインは唐津城のマスコットキャラクター「唐ワンくん」が競技をプレーする様子を、レーザー加工機で描き、表彰楯には桜の木を使用した。
国スポ開催前の9月18日、生徒たちは担当教諭と唐津市役所を訪問。市長から今回の活動に対して感謝状を贈られた。
7人は「ものづくりで地域に貢献することができ、とても達成感があった」と、感謝状を手に笑顔で話していた。
(2024年10月掲載)
山梨県韮崎市では「韮崎市ふるさと納税×高校生連携企画」として、高校生がふるさと納税の事業を通じて市をPRする活動を進めている。
協力校の県立韮崎高校では、写真部がふるさと納税寄付金の使い道をレポートしたり、返礼品提供事業者を紹介する取り組みを行っている。
美術部とイラスト部は、JA梨北の返礼品「シャインマスカット」の外箱のデザインを担当した。2024年4月、市からの依頼に応えたもので、「韮崎の素敵なところを思い浮かべながら制作した」という生徒たち。返礼品は全国各地に届けられるため「わかりやすさが一番」と、市のイメージキャラクターで、魔法の力で夢をかなえる不思議なカエル「ニーラ」をメインに決めた。
学年別に班を組み、各班が出し合ったイラスト案をベースに、外箱の正面にニーラと富士山とブドウを、側面に富士山とブドウのイラストに、「NIRSAKI」の文字を配置した。
9月上旬から配送される外箱に使用されており、箱のイラストを見て、ワクワクしながら開けてもらえたら嬉しいと生徒たち。
同梱の絵葉書も美術部員が描いた。教室から見える富士山や韮崎駅のライトアップ、街を見守る平和観音など、韮崎市の多彩な風景が目を楽しませてくれる。
また、市長の礼状の裏面には同校書道部の作品が。行書体の「韮崎」の文字を囲むように、市の桜の名所「わに塚のサクラ」が水墨画の手法で、華やかに描かれている。
JA梨北の担当者は「農家が真心こめて作ったシャインマスカットに、地元の高校生とのコラボで付加価値がつく」と喜ぶ。活動に参加した生徒は「韮崎の魅力が伝わるきっかけになれば」と話していた。
(2024年10月掲載)
自分が育った地域を大切に思い、地域を支えていく人材の育成を目指す山形県立酒田光陵高等学校。その期待に応えるべく生徒たちも、ボランティアなど地域に貢献する活動を進めている。
2024年9月から生徒たちは、7月の記録的大雨で多大な被害を受けた酒田市大沢地区で、災害ボランティア活動を始めた。
大沢地区では、災害から1か月半経っても土砂の撤去などが進まない住宅が多く残っているが、ボランテイアの応募が減少傾向にあり、特に平日は少ない状況という。
同校ではボランティアを必要とする声にこたえようと、9月から10月までの間、授業を活用しての参加を決めた。
9月は6日に環境技術科の生徒53人、9日は普通科の生徒72人が、被災した民家に流れ込み、水分が無くなって硬くなった土砂を力を入れてスコップで崩し運搬した他、床下や倉庫内の水分が残って粘土状になり重くなった泥を運び出した。「水分のある泥は何回運び出しても減らない感じがした」という。
19日は環境技術科の生徒60人が、現場見学や新井田川美化ボランティア、インターンシップなどを通して、建設業の魅力や将来性を教えてもらっている県建設業協会酒田支部の青年部18人と共に参加。生徒たちは6班構成で青年部員の指導で、住宅の床下に溜まった泥を一辺30cm厚さ20cm程度にスコップで切り出し、準備したプラスチック製の箕に乗せて集積場に繰り返し運んだ。現場は床基礎が格子状になっており、生徒たちは体をくねらせ、床下に潜り込んでの作業となった。
災害現場に入ると言葉を交わす気持ちは無くなったという生徒たち。「氾濫した川の水位が壁に残っているのを見たとき、恐ろしさを感じた」「とにかく土砂を運び出すことだけを考えた」と話す。
被災した住民は「若い人の力はやっぱり違う」「元気がもらえる」「とても助かる」と感謝。人手の足りなさを実感しているという青年部の言葉に、生徒たちは「これからも協力できることがあれば、取り組んでいきたい」と話していた。
(2024年10月掲載)
2023年4月、島根県立矢上高等学校に介護福祉施設への食事の提供を行う企業から、ある依頼が来た。それは、お年寄りの食欲をそそるようなメニューを考案することで、同校の「食と農研究会」のメンバー18人が取り組むことになった。
メンバーは、コロナ禍でイベントも中止となり、楽しみが減ってしまったお年寄りたちに、食べることで、少しでも笑顔と元気を取り戻してもらいたいと、高齢者にも人気のカレーの新メニュー開発に挑戦することにした。
さまざまなアイデアが出される中で、考慮したのは高齢者の健康をサポートすること。そこでメンバーが選んだ食材が大豆だった。高齢者に必要なタンパク質を多く含んでおり、さらに、浜田漁港で水揚げされたマトウダイの未食部分の頭と骨で作った粉末を隠し味にすることで、カルシウムもバランスよく摂れるようにした。
介護福祉施設で試作兼試食会を2回開催。入居者から豆のスパイスカレーについての意見を聞き、改良を加え、スパイシーなのにあまり辛くなく、大豆がゴロゴロ入って食感の良いカレーに仕上げた。続いてレトルトカレー製造メーカーに依頼。思った味わいになるまで幾度も試食し、完成したのが「体にやさしい“まご”のまごころ豆カレー」だ。
メンバーが孫の気持ちになって開発した豆カレーとして、2024年9月16日の敬老の日に、地元のショッピングセンターでメンバーによる販売イベントを開催。その後、同校の文化祭で販売する他、浜田市内のスーパー、道の駅などでの販売が予定されている。
「豆の柔らかさにこだわった」というメンバーたち。高齢者だけでなく多くの人に食べてほしいと話していた。
(2024年10月掲載)