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善きことをした高校生達

世のため、人のために立派な行いをしている高校生達を紹介します。
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復興の花を咲かせたい 桜の新品種「玉夢桜」開発

宮城県 宮城県農業高校 科学部のみなさん

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東日本大震災の津波で多大な被害を受けた宮城県農業高校。同校の生徒たちは、まちの復興へ力になろうと様々な活動を進めている。

科学部の部員たちは、津波にあった沿岸部で復興の花を咲かせたいとの思いから、2012年から塩害に強い桜の新品種開発に挑戦。桜の組織培養に詳しい顧問の教諭の指導の元、幾通りもの人工交配を実施。5年後、その中の1本が花を咲かせた。オオシマザクラと塩釜神社の「手弱女(たおやめ)」を交配させたもので、花びらは淡いピンクの半八重咲きで、芳しい香りが特徴。ソメイヨシノより10日ほど遅い4月中下旬に開花する。生徒たちの調査で、塩害に強い、他品種に比べ二酸化炭素の吸収量が多いなど、環境浄化力に優れていることがわかった。

2019年4月、岩沼市玉浦西地区で開かれた花見会で披露すると、住民から玉浦西にちなんだ命名を要望され、生徒たちは、地名と丸みを帯びた花の形から「玉」を、未来に思いをはせようとの願いを込めて「夢」を選び、「玉夢桜(たまゆめざくら)」と名付けた。

2020年8月、「玉夢桜」は公益財団法人「日本花の会」から新品種の認定を受けた。

今年1月、「第6回全国ユース環境活動発表大会全国大会」で同部は「サクラの新品種開発で桜の緑被率を上げる〜被災農業高校が立ち向かう震災10年目の挑戦〜」と題し発表。最高賞の環境大臣賞を受賞した。この際、環境省から東京の新宿御苑への植樹を提案され、3月、現地での記念植樹が行われた。また同月には玉浦西地区の公園で、苗木4本を植えた。

生徒たちは「玉夢桜を全国に知ってもらい、人を笑顔にしたい」「もっと増やして復興に役立てたい」と話していた。
(2021年4月掲載)
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