広島県 北広島町立芸北中学校 生徒のみなさんの善きことニュース

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善きことをした小学生・中学生達

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「茅市場」開設 地元の茅文化保護、発信

広島県 北広島町立芸北中学校 生徒のみなさん

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北広島町立芸北中学校の生徒たちは、地域の茅葺き屋根の民家を保存するために必要な茅の安定的に供給、利用する「芸北茅プロジェクト」を、町教育委員会や保護者とともに立ち上げ、地域の「茅文化」保全活動の柱となって取り組んでいる。

かつて芸北地域の多くの民家は茅葺き屋根で、大量の茅が必要なため各集落には茅畑と呼ばれるススキ原があった。しかし、瓦屋根が主流になると共に茅葺き屋根を葺ける人や技術が消えつつあり、また多くのススキ原は森林に、生息する動植物も変わってきたという。

こうした背景にあって生徒たちの役割は、年1回「茅市場」の開催と広報活動、地元住民らが刈り、持ち寄った茅束(長さ180センチ以上のまっすぐなススキを直径20pに束ねたもの)を検品し、地域通貨「せどやま券」で買い取り、保管し、文化財や民家の茅葺き屋根の材料として販売するまでの企画・運営を一貫して行う。

昨年12月に3回目となる「茅市場」を開いた生徒たちの活動は、秋に2回茅葺き師の指導で茅刈りを体験し、良質の茅束を知ることから始まる。昨年は、買い取り量を増やそうと、前年度の出荷者に直接電話してお願いする「営業」にも挑戦し、およそ1.5倍の約700束が持ち込まれた。

同校の教員は、生徒たちにとって、茅の流通に関わることで、地域資源の活用や生物多様性の保全について学ぶ貴重な機会と話す。生徒も「長く続けて、茅葺き文化と環境の保護に役立ちたい」と意気込んでいる。

なお、生徒が取引した茅は、2011年の大雪で半壊し、6年かけて修築された樽床民家(国の重要有形民俗文化財)の茅葺き屋根の修理に使用された。
(2020年2月掲載)
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