
世のため、人のために立派な行いをしている小学生・中学生達を紹介します。
子供達の活躍を、ぜひご覧ください。
最新のニュース
■ 川氾濫想定 危険箇所、安全な場所の地図作成 町のHPに掲載 長野県 池田町立会染(あいそめ)小学校 4年生のみなさん
■ 有川港ターミナルに鯨のねぶたを展示 利用客に島の魅力伝える 長崎県 新上五島町立魚目(うおのめ)中学校 特別支援学級の生徒たち
■ 大人も防災知識の更新を 自主防災の意識磨くカードゲーム考案 鳥取県 米子市立福生(ふくいけ)中学校 「ソタクリエイト」のみなさん
■ 助かる命を救いたい QRコードでAED設置場所示すカード制作 長野県 松本市立丸ノ内中学校 AED班の4人の3年生
創立以来150余年の歴史を有する池田町立会染小学校。児童は伝統として地域に役立つ様々な活動を推進しており、2024年度においても、4年生の児童たちが、町の発展や安全に貢献する活動に取り組んできた。
総合的学習の一環で、町の魅力を伝える新たな菓子づくりに挑戦。町名産のラベンダーと特産化を目指すハックルベリーを使ったクッキー「会染ハックルクッキー」と、枝豆のずんだもちがたっぷり入ったまんじゅう「会染ずんだーマン」を考案。地域の食品会社と1年かけて商品化した。
また、社会科で水害について学習したのを機に、学区内を中心とした防災マップ「水害危険箇所マップ」を作成した。
児童たちは池田町を流れる高瀬川が氾濫した場合を想定。防災用のGISアプリを使って、通学路の危険箇所や身を守るための安全箇所などをチェックし、撮影。写真を地図上に落とし込んでいった。
地図には、氾濫時、見えにくくなる段差やマンホール、水路などの危険箇所に加え、避難する際、役に立ちそうな手すりや目印など51箇所のポイントを、見やすいよう4種のアイコンで分類。写真も添え、危ない理由もわかりやすい文章で記載した。
児童たちは「水害危険箇所マップ」を、池田町の人々みんなに知ってほしいと、2024年12月、同町ホームページへの掲載依頼の手紙を書き、町長宛に送付。町民の命を守る「町の一つの財産」と掲載が決まった。
2025年2月17日、4年生の代表が町役場を訪問。町長から感謝の手紙を手渡された。
児童は、HP掲載のお礼を述べ、今回の活動で「普段気付かないところを知ることができた」「歩く度に気を付けるようになった」と防災意識を高めたようで、危険箇所への対応も要請していた。
(2025年3月掲載)
7つの有人島を含む約70の島々で構成された長崎県新上五島町。2024年12月、町立魚目中学校の生徒が「鯨のねぶた」を製作し、島の玄関口、有川港ターミナルビルに展示した。作成したのは特別支援学級の4人の生徒たち。鯨の他、教会、ツバキなど上五島の多彩な魅力を、利用客にアピールしている。
同年7月から取り組みをスタート。担当教諭の指導で針金と障子紙を使って組み立て、ていねいに色を塗り、半年かけて仕上げた。
鯨や教会を表現する際は、事前に新聞記事や資料などを調べるなどして知識を深め、デザインしたという。
鯨は、青い海を元気よく尾びれを跳ね上げ、かつて捕鯨の島として栄えた上五島を表している。
夕陽のような赤を背景にして建つ教会は、国の重要文化財「頭ヶ島(かしらがしま)天主堂」で、2018年、ユネスコの世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「頭ヶ島の集落」にある教会だ。
またツバキは、島の花であり680万本以上自生しており、全国一と言われている。
2025年3月初めまで展示された「鯨のねぶた」。島の沖合で遭難した同志を祈る坂本龍馬像と一緒に、多くの利用客を出迎え、「かわいい」などの声が寄せられていた。
指導した教諭は「郷土の魅力を掘り下げて見つめることで郷土愛も深まったようだ」と生徒たちの成長を喜んでいた。
(2025年2月掲載)
米子市立福生中学校の4人の3年生が、世代を問わず防災知識を身につけられるカードゲームを考案した。きっかけは2年次の総合的な学習の時間で「防災避難シミュレーションゲーム」をした中で、子どもは防災教育を受ける機会は多いが、日々忙しい大人たちは新たな防災知識を得ることが難しいのではないか。その解決策として、ゲームならいつでも楽しく防災について学べるのではと、と考えたことから。
4人はチーム「ソタクリエイト」を立ち上げ、試行錯誤の末に開発したカードゲーム「SHYG(シャイグ)」は、巨大地震など起きた災害に対して、プレーヤーがさまざまなシナリオを体験しながら適切な行動を選ぶことで、避難場所と食料が確保できる。ゲームはターン制で、毎回異なる展開を楽しむことで防災知識を深めることができるという。
4人は、2024年夏、「SHYG」を通じて防災教育の輪を広げたいと製品化を考え、その資金を得るためクラウドファンディング(CF)を実施。100人を超える支援者から、目標の50万円を上回る61万5千円が寄せられた。これに鳥取県の補助金を活用し、同年11月に50セットを製造することができた。
2025年1月、生徒たちは鳥取大学に招かれ「SHYG」の体験会を開催。参加者から「非常に考えられている」「現実でもありそうなハプニングも起きて、ゲーム性も高く楽しかった」と高く評価された。
生徒たちは50セットのうち、希望する米子市内の小中学校へ配布し、米子市にも寄贈。1月末からは一般販売を開始し、全国各地から注文が来たという。4人は「このゲームが防災を考える入り口になったらうれしい」と話していた。
(2025年2月掲載)
長野県松本市の市立丸ノ内中学校。開校以来「自治の精神」をモットーに、生徒たちは日々の学びの中で、自分たちで課題を見出し、計画的に取り組む「律する心」、自分から発して仲間とともに創り上げる「磨く心」、多様性を受け入れ互いの幸せを願うことができる「思いやる心」を育んでいる。
2024年度においても、総合的な学習の時間でAED(自動体外式除細動器)について学んできたAED班の3年生4人が、緊急時にAEDの設置場所が確認できるQRコードを載せた名刺大のカードを考案した。今回は、JR松本駅近くに設置された場所を中心に紹介。一人でも多くの命を救いたいとの思いで取り組んだという4人は、同駅周辺で乗降客や市民150人にアンケートを実施。AEDの設置場所を知っているかとの問いに、約7割が「知らない」との答えから、AEDが置かれた建物や場所などが一目で確認できるカードを作ろうと思い立った。
カードは財布などにしまえるよう名刺大にし、スマートフォンをかざせば設置場所がすぐにわかるQRコードや、制作した思いや配布する理由などを記した他、長く保持できるようラミネート加工を施した。
4人は用意したカードのうち100枚を街行く市民に配布。さらに学校近くのスーパーやショッピングモール内のドーナツ店の協力で置いてもらうことに。4人は「少しでも早くAEDが用意できれば、救える命がある」と強調。多くの人がこのカードを持つことで、AEDと設置場所を広く知ってもらえるきっかけになればと話していた。
(2025年1月掲載)