北海道　啓雲中学校　生徒会のみなさんの善きことニュース

根室市立啓雲中学校の生徒会は、東日本大震災の被災地を支援する「東北交流プロジェクト」を推進している。震災から２年以上過ぎた今年の９月、生徒会執行部が１０月に開催する文化祭のテーマについて話し合った際、「震災のことを忘れかけてはいないだろうか」「現在もまだ支援を必要とする人がいるはず」との意見が出された。

岩手県釜石市出身の教頭に紹介された大船渡市立吉浜中学校に問い合わせると、吉浜中では仮校舎図書館の本が不足していること、仮設住宅の被災住民が生活を少しでも豊かにしようと合格祈願グッズ（五角座布団、合格ストラップ）を製作、販売していることなどを教えられた。

そこで生徒会では生徒玄関に古本回収箱を設置し、全生徒に呼び掛けた。

文化祭では、東北交流プロジェクトのコーナーを設置し、来場者に古本回収を訴えるとともに合格祈願グッズの注文を受け付けた。生徒の活動に賛同した地域の人々や近隣の学校から文芸書や絵本、全集など当初の目標２００冊が集まり、１０月末には約４００冊に達した。

生徒会では１１月初めに１００冊ずつ四つに仕分けし、吉浜中など被災地の４校に贈った。また、文化祭で受けた五角座布団２０枚と合格ストラップ３０個は、現地に発注。順次注文者に届けられる予定だ。

生徒会の役員は「予想以上の結果で驚いた。地域の人々が協力してくれて嬉しい」と感謝。今後も校舎内に古本回収箱を置き、生徒や市民に協力を求めていくという。