和歌山県　近野中学校　３年生のみなさんの善きことニュース

世界遺産の熊野本宮大社と紀伊田辺を結ぶ熊野古道のほぼ真ん中に位置する町、田辺市中辺路町近露（ちかつゆ）。かつては熊野詣の宿場町として栄えたこの町に、市立近野中学校がある。

今年の５月８日には、３年生５人が、修学旅行先の東京で、地元の熊野古道などを紹介した自作のチラシを配布し、地域のＰＲ活動を行った。

昨秋、台風被害に遭った地元を元気づけようと、生徒たちが製作したチラシは全部で５種類（Ａ４版）。熊野古道歩きのおすすめコースや熊野古道の歴史や世界遺産に登録された理由、地元で開かれる熊野古道近野山間マラソンや郷土食などを写真入りで紹介している。本やインターネットで調べたり、担当の教諭にも相談しながら完成させた。外国の人にもＰＲしようと英語版も作成した。

これらのチラシに、牛馬童子像（田辺市指定文化財）の焼き印を押した手作りの木のコースターや押し葉のしおりをセットしたものを６０個用意。メッセージを添えて、東京の人々や観光客、また、旅行先で世話になったホテルやタクシーの担当者にも贈ることにした。

修学旅行に出発する前の５月６日、５人の生徒は学校近くのドライブイン「古道歩きの里ちかつゆ」で予行演習を兼ねて、観光客らにチラシを配布した。

そして８日、見学先の東京タワー内で熊野古道や地元の魅力をアピールしながら、手作りのチラシを来場者に手渡した。

生徒はみな予行演習の甲斐あって、来場者に積極的に声をかけながら配布。「できる限りＰＲしたい」「東京の人や外国の人に和歌山や地元を知ってもらえるのがうれしい」と話す。チラシを受け取った人々からは「チラシには写真も載せてわかりやすく、丁寧に作っている」「今度家族と出掛けてみたい」といった声が寄せられ、生徒からは笑顔がこぼれていた。