世のため、人のために立派な行いをしている高校生達を紹介します。
高校生達の活躍を、ぜひご覧ください。
イベントで商店街に賑わい創出 「きずなフェスタ」を企画・開催
群馬県 桐生市立商業高校 ビジネス研究部のみなさん
かつては「西の西陣、東の桐生」とうたわれるなど、古くから織物のまちとして発展してきた群馬県桐生市に、1940(昭和15)年創立の桐生市立商業高校がある。同校は「進取(学習、部活動等何事にも積極果敢に自ら進んで取り組み、自己の可能性を追求する)・創造(学習や部活の様々な場で、常に創意工夫をこらし、一層の進歩が可能になるように努める)・至誠(学習や部活動に誠実に取り組み、努力を続ける)」を校訓としており、生徒も勉学や部活動などを通じて、何事にも果敢に挑戦するための精神を育んでいる。
生徒はまた、日々の学習を生かした地域貢献活動にも取り組んでおり、なかでも積極的なのが、ビジネス研究部の部員たちだ。
これまでも地元特産の桑茶を生かした半生うどん「清瀬うどん」「まゆ玉最中」などを地元企業と協同で商品化したほか、「まゆの心」というブランドを立ち上げ、「桑茶クッキー」「マドレーヌ」など、“桐商オリジナル商品”を開発してきた。
さらに同部では、地域に密着した活動を展開する中で、地元との絆をいっそう深め、街の活性化に一役買おうと、7月30日に「キズナフェスタ2011」を開催した。
同部は今年の2月、市内の本町通りと末広町通りの商店街で、空き店舗の数と人通りを調査した。その結果、閉店状態の店が多く、シャッター街になり人通りが少なかったことから、「商店街に人を呼んで活性化させたい」と、初めてフェスタを企画した。
会場は本町五丁目中央商店街のジョイタウン広場で、部員が考えたイベントはバラエティ豊富。ステージでは、卒業生による吹奏楽のアンサンブル演奏や市内で活動する小学生ダンスチームの公演や仮装コンテストのほか、子供たちに描いてもらった「うちわ」の展示や、10店舗を回り店内で桐生に関する問題を答える「クイズラリー」などを展開。さらに、同部が開発した桑茶入り商品を販売する「桐商っぷ」、お面、ヨーヨーすくい、かき氷などを出店した。
夏休みを返上して「キズナフェスタ2011」開催に取り組む部員らの熱意に、中央商店街振興組合も協力。桑茶うどんや肉巻きおにぎり、東日本大震災被災地に向けた「ともだちプロジェクト」のクッキーの販売も行った。スタート当初は雨模様だった天気も次第に回復。同部の新商品でこの日初めて店頭販売した「桑茶やきまんじゅう」を、笑顔でほおばる親子連れなど、多くの市民が商店街に足を運び、桐商生が企画・開催したフェスタを楽しんだ。
商店街の役員は「商店街はまちの顔。高校生の目線で問題意識を持ってもらうのはたいへんありがたいこと。これをきっかけに交流を深め、より親しみを持って商店街のことを考えてもらい、一緒になって街の活性化に繋げていきたい」と話していた。
会場を華やかにするため、繭をイメージした部のマスコットキャラクター「コロロ」の装飾作りなどにも取り組んだ部員たちは「市内外から多くの人が訪れ、開催してよかった。今後も商店街に賑わいを創出する企画を部員みんなで考え、街に活気を生み出したい」と意欲を見せていた。
(2011年8月掲載)