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善きことをした高校生達

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被災した仙台の農家で支援のボランティア

新潟県 柏崎工業高校 防災エンジニアコースのみなさん

新潟県の海岸沿いのほぼ真中に位置し、黒姫山、八石山、西山連峰の山々の懐に抱かれた風光明媚な都市、柏崎市に県立柏崎工業高校がある。同校には県内の高校で唯一の防災エンジニアコース(電気科)があり、同コースの生徒は日頃の学習を生かした社会貢献活動を推進している。

4月30日には、東日本大震災の被災地、宮城県仙台市宮城野区の農家を訪れ、ボランティア活動を行った。

生徒はこれまで刈羽村に設置された同震災被災者の避難所や、長野県北部地震の被災地、栄村などでボランティア活動を実施しており、今回の活動は、生徒自ら志願した。

被災現場を実際に自分の目で確かめ、考え、さらに被災者とふれ合う経験を通じて、防災のあり方を学ぶのが狙いという。

当日は、3年生5人、2年生4人、学校長と4人の教諭が参加。農家で奉仕活動を展開しているグループに入って、津波による汚泥を取り除く作業を手伝った。

農家は、ゼラニウムなどの花や野菜の苗を栽培するビニールハウス(計約3300平方メートル)と約7ヘクタールの水田を運営している。海岸から約3キロ離れているが、約50センチの高さの津波が押し寄せたという。水田は油混じりの汚泥とがれきで埋め尽くされた他、ビニールハウスにも汚泥が侵入し、ポンプや暖房設備などを破壊した。

生徒らは、シャベルを手に、ビニールハウスの中やその周辺の土壌を覆っていた汚泥をバケツに集め、数十メートル離れた集積場に運んだ。

生徒は、4年前に柏崎地方を襲った中越沖地震を経験しており、このとき全国から集まった多くのボランティアに助けられた。「今度は自分たちの番。被災地の方々に少しでも役に立てれば、うれしい」と話す。そして「現地はテレビで見るより悲惨な状況で、津波の怖しさを肌で感じた」「今回の経験を踏まえ、防災についてこれまで以上に勉強し、将来の活動に生かしたい」と意気込む。

生徒とともに汗を流した教諭は「生徒はみな一生懸命で、本当によくやってくれた」とねぎらい、「被災地の苦労を、より現実のものとして感じられたはず。現場で得られるものはやはり大きい」と話していた。

今回の活動に続いて、6月11日には、有志生徒と保護者など94人が7班に分かれ、仙台市宮城野区の民家や東松島市の住宅街で、側溝の泥あげ作業やがれきの撤去などのボランティア活動を実施した。全校生徒から希望者を募って被災地で活動した高校は、新潟県内でも珍しいという。

さらに8月には、仙台市内で合宿を行い、ボランティア活動をする計画といい、生徒は「一人一人が団結すれば、大きな力になるはず」と張り切っている。
(2011年6月掲載)

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