世のため、人のために立派な行いをしている高校生達を紹介します。
高校生達の活躍を、ぜひご覧ください。
最新のニュース
■ 触って学んで松山城 半年かけジオラマ製作、視覚障がい者の知りたいを支援 愛媛県 松山南高校 自然科学部のみなさん
■ インドネシアの高校生とSDGsテーマに議論 思い描く未来、協働で絵画に 宮城県 宮城野高校 国際・語学ゼミのみなさん
■ 潮干狩り復活へ 片男波干潟のアサリ保護・育成 和歌山県 和歌山工業高校 化学技術クラブのみなさん
■ 能登半島地震被災地支援 今できることは募金! 活動の輪は県全域へ 愛知県 豊川高校 生徒会執行部・インターアクトクラブのみなさん
■ 2つの通学駅を花いっぱいに 地域を美しく、環境保全に協力 長野県 佐久平総合技術高校 農業科(生物サービス科植物活用コース)のみなさん
■ 神社でボランティア 清掃活動や祭りの準備を手伝う 北海道 夕張高校 陸上競技部のみなさん
■ 地域の応援に、感謝の月一早朝清掃活動 愛知県 豊川高校 サッカー部のみなさん
■ 増える自転車盗難 被害にあわないよう、駅で呼びかけ 北海道 伊達開来(だてかいき)高校 ボランティア局のみなさん
■ 商店街のイベントに「給食カフェ」 収益を能登半島地震被災地に寄付 島根県 出雲商業高校 生徒会のみなさん
■ 通学に利用 無人駅のトイレ清掃に協力、市から感謝状 佐賀県 鳥栖商業高校 生徒会、ボランティア委員、美化委員のみなさん
■ 通学路の清掃、駅の改修、防犯ボランティア 地域への感謝を形に 北海道 北見工業高校 生徒のみなさん
■ 保護者の負担軽減 卒業生から新入生へ制服リレー 新たな伝統に 沖縄県 那覇商業高校 生徒会のみなさん
■ 特産「ほらどキウイ」を柱に地域活性策を企画実践 全国大会で発表 岐阜県 関高校 「ほらどのめぐみ」のみなさん
愛媛県立松山南高校の自然科学部が、国指定史跡の名城「松山城」のジオラマを製作した。
特別支援学校の修学旅行の学習支援に力を入れている松山市が、視覚に障がいがある児童、生徒が触って、立体的な松山城をイメージしてもらおうと、同校に依頼。自然科学部の5人の部員が担当することになった。
スタートしたのは2023年秋。製作するのは天守・小天守・櫓を四方に配置し、渡櫓でつなぐ連立式天守を中心とした本壇と呼ばれる区域で、取り組みにあたり部員たちが重視したのは、視覚障がい者が触ることで「松山城」の特徴を分かってもらえるジオラマを作ること。
同年11月、設計図を完成させ、3Dプリンターでパーツを作り、手作業で組み立てた。縦約28.5p、横約26p、高さ約12pで実物の230分の1の大きさ。
2024年2月9日、部員たちは松山盲学校を訪問。同校の生徒たちに実際に触ってもらい「松山城に登りたくなった」などの感想の他、「もう少し大きい方が分かりやすい」「東西南北を伝える点字を付けて」などの助言を得た。部員たちはこれらの改善点を取り入れ、3月、半年かけて手がけてきたジオラマを完成させた。
4月22日、松山市長が松山南高校を訪れ、自然科学部の部員たちに「障がい等の有無にかかわらず、全ての人が安心して楽しめる旅行の推進に活用したい」と、感謝状を手渡した。
完成したジオラマは、修学旅行で松山を訪れる特別支援学校などに事前学習用に貸し出すことにしており、部員たちは「地図の代わりに、このジオラマを使って楽しんでくれれば」と話し、2024年度は道後温泉のジオラマ製作に挑戦すると、意気込んでいた。
(2024年6月掲載)
1995年に創設された宮城県宮城野高校。「創造的自由」の精神を重んじ、「デザイン思考」を生かした課題解決型の探究活動を進めている。
2022年4月には「未来構想ゼミナール」を開設。4系統12領域あり、そのひとつ国際・語学ゼミの生徒たちは、2023年度、インドネシアのエスエムエー・セント・ポーラス・ポンティアヌク校の生徒と、協働学習プログラムに挑戦した。
この協働学習は日本と海外の高校生が、オンラインで国連の持続可能な開発目標(SDGs)について議論し、その成果を絵画に表現する活動。
今回は「安全な水とトイレを世界中に」「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「産業と技術革新の基盤を作ろう」を課題に、どうすれば解決策を見出せるのか、英語で議論を重ねた。
絵のサイズは縦1・5m、横3・6mとほぼ黒板の大きさ。テーマは「地球を愛そう」。画面中央上部に日本とインドネシアを描いた地球から、滴り落ちる雫を受け取るコップの中には水と植物。コップの周りを泳ぐ二匹の魚、インドネシアの花「ラフレシア」と日本の「サクラ」、ソーラーパネルを装備したビルや風力発電、画面いっぱいに塗られた黄色をバックに舞う無数の緑の葉に、空飛ぶ本が描かれている。
みんながきれいな水を手にできるよう責任を持とう、汚染のない川と海を作っていこう、国境を超えて互いを支え合い、補い合う関係になろうなどのメッセージを込めたこの作品とそこに至るまでの議論への評価は高く、2024年2月、外務大臣賞を受賞した。
異なる文化や価値観を持つインドネシアの高校生と交流する中で「つながり」を感じるようになったという生徒たち。「お互いの国を尊重し合うデザインができたと思う」と話していた。
(2024年6月掲載)
和歌山市の市街地を南北に流れる和歌川の河口に広がる片男波干潟。かつては多くの観光客が潮干狩りに訪れたが、アサリの激減により2009年以降、潮干狩りは中止された。
2020年、県立和歌山工業高校の化学技術クラブが干潟を調査。採取した貝類を調べると、巻貝ばかりで二枚貝が極端に少なかった。アサリ激減の原因と繋がっているのか、同クラブは、和歌山市と潮干狩り復活に向けてアサリの保護・育成に取り組む和歌浦漁業協同組合に、干潟全体の調査を申し出、活動を始めた。
部員たちは、全地球測位システム(GPS)を活用してアサリの生息域を調べると共に、アサリが消えた理由も追求。1ミリほどの稚貝の頃に、二枚貝を好む天敵のアカエイや巻貝による食害が主な理由だった。
2023年6月、部員たちは干潟で漁協の職員と稚貝を砂ごと入れた約10キロの網状の袋500個を干潟に置き、2週間ごとに観察して天敵や流出から守ると共に、網に付いた藻やカキを取り除くなどして育成環境を整備。1センチくらい成長した後、干潟内にある増殖場に放流した。アサリは順調に成長し、約40キロの収穫を得た。
干潟で養殖できると考えた部員たち。2024年3月には10キロの袋50個、50キロの袋25個を用意。袋に入れず、砂の上に直接網をかける方法も試し、観察を続ける。
漁協によると、潮干狩り再開には150万匹のアサリが必要といい「アサリを増やして地域を盛り上げたい」と意気込む部員たち。まだまだ手探りだが、自然にやさしい方法なので、全国で試してもらえるようデータをしっかり取り、調査研究を進めていきたいと話していた。
(2024年6月掲載)
2024年1月1日に起きた能登半島地震。最大震度7を記録し、住宅約29000戸が全半壊するなど、甚大な被害をもたらした。
豊川高校インターアクトクラブの部員たちは、いま高校生ができる支援活動は募金と、8日は市内で、9日は始業式後に、活動に賛同した生徒会執行部を含む15人が豊川稲荷の総門前に参集。午後1時30分から約2時間、現地の写真や「被災地を笑顔に」「人は助けあって生きている!」など、手書きのパネルや募金箱を手に支援の協力を呼びかけた。初詣などで訪れた参拝客が次々と募金に応じ、そのたび生徒たちは「ありがとうございます」と感謝の言葉を伝えていた。この活動には豊川ロータリークラブも支援、会員たちが募金を行った。
さらに、29・30日の両日は、生徒会執行部と各部活動の主務が共同で学校内外で募金活動を実施。「あなたの支援が被災者を救います」など、生徒たちの真摯な声掛けは多くの市民や生徒の心に届き、多くの浄財が寄せられた。
1日も早い復興を願う同校生徒たちの支援活動は、保護者や教職員、豊橋市の高校、愛知県高校生フェスティバルの参加校など多くの協力で支えられ、結ばれた善意の輪は愛知県全域に広がり、募金は総額で85万円を超えた。
今回集まった義援金は、現地のニーズを調査の上、食料、水、医薬品、衛生用品、避難所などの緊急支援に使用される予定という。
「被災者の少しでも役に立てたら」と願う生徒たちは、今回の活動を通じて、地域の人々の優しさと温かさ、地域貢献活動の素晴らしさを改めて感じた様子で、今後も高校生としてできる支援を考えていきたいと話していた。
(2024年6月掲載)
『佐久平の明日を創る人物たれ』を校是とする長野県佐久平総合技術高等学校。地域の自然や文化に愛着を持ち、地域の環境保全に積極的に取り組むことができる生徒の育成を教育目標としており、同校で農業を学ぶ生徒たちも、実習で栽培した花々を「JR佐久平駅」と「JR岩田村駅」に飾る活動を行っている。同校生徒が通学に利用する駅への感謝の気持ちと、観光客を美しい花で歓迎しようという思いも込めており、岩田村駅での活動は約40年続く伝統行事だ。
2023年6月には農業クラブと有志生徒が、岩田村駅の構内と駅前ロータリーの花壇の装飾を行う「岩田村駅花いっぱい運動」を実施したのに続いて、8月には農業科の3年生が近隣の小学校の児童と佐久平駅の構内に、佐久平市の市花「コスモス」の苗が植えられた40個のプランターを飾った。
2024年度最初の活動として、4月12日に農業科の生徒が佐久平駅の新幹線改札近くの自由通路に、学校の温室で約3ヶ月かけて育ててきたビオラのプランター40個を並べた。
5月3〜5日に千曲川スポーツ交流センターで開催される「佐久バルーンフェスティバル」などの見学に訪れる観光客を、紫や黄、赤など、可愛らしいビオラの花々でおもてなししようと、市観光協会と共同で実施した。
この活動は、同校が毎年春と秋に行う同駅の「ウエルカムフラワー」の一環で、同駅が開業した翌年の1998年から続く取り組み。駅の待合室などにも花を飾っており、きれいな花々が駅を利用する人々の憩いになれば、という生徒たち。今後も丹精込めて育てた花を構内に装飾して、信州に訪れるお客さまをお迎えしたいと話していた。
(2024年6月掲載)
1936年に開校した北海道夕張高等学校。地域唯一の高校として生徒たちは、地域活性化の原動力となるべく、さまざまな地域貢献活動を展開している。
東京都庁で開かれた物産展や幸福の黄色いハンカチ想い出広場などで、市内の菓子店と共同開発した石炭マドレーヌの販売と夕張市のPR活動の実施や、学校近くのバス待合施設や新築アパートの内装デザインの企画などをはじめ、全校生徒が夕張のために何ができるのかを考え、ボランティア活動を推進している。
2024年4月14日、陸上競技部の部員たちが、1889年創建の市内で最も古い神社「夕張神社」で清掃活動を行った。
当日は、今年入部した1年生部員を迎えての新年度初めての活動であり、何か有意義なことをと、130年以上も夕張市と市民を守り続けてきた同神社への感謝の思いを込めて、今回の活動を企画した。
この日は6人の全部員が参加し、神社の例大祭で担がれる御神輿3基が収められている神輿殿を中心に実施。50年以上も使われることなく仕舞われていた旗や飾りなどを整理し、溜まっていたほこりもほうきでていねいに掃き清めた。またゴミ袋10袋に、リヤカー1台分の不用品も回収した。
神社の宮司から「本当に助かりました」との感謝の言葉が贈られ、6人は笑顔で汗を拭っていた。
清掃後は、境内につながる97段の石段を駆け上がり、今年の活躍を祈願した。
後日、部員たちは、同神社の春の例大祭を告げる大のぼりの設営など、祭りの準備を手伝い、自分たちができる地域貢献活動に熱心に取り組んでいた。
(2024年5月掲載)
1928年、曹洞宗の宗教的精神の教えのもとに創立した豊川高等学校。生徒たちは「和敬・信愛・利他・報恩」の校則に則り、20年近く続く「3年生卒業献血」や自然災害被災地への募金活動など、さまざまなボランティア活動を推進している。
中でもサッカー部は、地域の応援に感謝し、地域に一層愛されるチームになろうと毎月1回、早朝に全部員による地域清掃活動を展開。新入部員を迎えての2024年度第1回目の活動は、5月7日、豊川稲荷の名で知られる豊川閣や豊川駅、同校周辺を中心に清掃を行った。
毎回、企画立案から実施まで、部員主導で取り組んでおり、今回は、4日と5日の2日間にわたって開催された豊川閣妙厳寺春季大祭を終えての活動とあって、経験豊富な3年生がリーダーシップを発揮。清掃区域の設定やグループ分けなどを行い、部員たちは豊川閣境内の参道や稲荷駐車場、稲荷公園や桜ヶ丘公園など各グループの担当区域で清掃活動を実施。落ちていた小さなゴミもひとつひとつ丁寧に拾い上げるなど、地域への感謝の気持ちを形に表していた。
『真の日本一』を理念とするサッカー部。日々練習を重ねて技術力や競技力の向上を図るだけでなく、人間力の創造のためにいかに多様な取り組みにチャレンジしていくか、を真意としており、その一つが部員全員で行う早朝地域清掃活動。今後も月に1度、地域の人々に愛され、応援されるサッカー部を目指すとともに、同校の一員としての自覚と責任感を持って、地域をきれいにするボランティア活動を継続して行くと力を込める。
(2024年5月掲載)
コロナ禍により減少傾向にあった自転車盗難が、行動制限が解除された2023年5月以降、急増しているという。北海道警察によると、2023年7月に公表した同年上半期の犯罪傾向で、自転車窃盗は1719件と前年比556件(約48%)も増加した。また北海道警察の2023年度版「北斗の安全」によると、窃盗犯のうち、自転車盗が約3割、中でも無施錠の被害が5割以上、小・中・高生、大学・専門学生の被害が約6割を占めた。
北海道伊達開来高等学校のある伊達市の伊達警察署管内でも、2023年の自転車盗難は前年より10件多い16件だった。こうした状況の中、被害者を一人でも減らしたいと啓発活動に取り組んでいるのが、同校ボランティア局の生徒たちだ。
2024年も、4月26日に伊達署、伊達地方防犯協会連合会と協力。JR伊達紋別駅前で、自転車盗難の被害者にならないよう呼びかける啓発活動を行った。
当日は生徒ら25人が参加。駅駐輪場で自転車の盗難被害防止のための防犯診断を実施し、鍵はかかっているか、防犯登録はついているかなどの項目をチェック。持ち主に被害者にならないよう「自転車防犯診断カード」を自転車に取り付けた。
駅前では通行する市民に、鍵を二つかける「ツーロック」を促す啓発グッズなどを配り、急いでいる時でも施錠、短時間でも自転車から離れる時は鍵かけよう、などと呼びかけた。
伊達署によると、例年夏場にかけて自転車盗が多発するといい、また警視庁によると、2021年の自転車被害発生件数のうち約5割が、住宅敷地内だったという。
生徒たちは、どんな時も油断せずに、しっかり鍵をかけようと訴えていた。
(2024年5月掲載)
島根県立出雲商業高等学校は、伝統として生徒による地域への奉仕、貢献活動に取り組んでいる。2024年3月には、ワープロコンピューター部が地元の高齢者から、スマホ操作の相談に答える「スマホなんでも相談会」を実施。参加者から、丁寧な対応で悩みが消えたと感謝された。
また、地域を元気にを合言葉にした「地域振興」活動にも力を入れており、同年3月30日、生徒会が出雲市の商店街「サンロードなかまち」恒例の春のイベント「ひなめぐり」に、給食をテーマにしたカフェを出店。食器はアルミ製、給食エプロン姿の生徒が接客するなど演出にもこだわり、来店客も懐かしそうに給食を味わっていた。
商店会が商店街の賑わいづくりに若者の意見を生かそうと、同校の生徒会を招いてワークショップを開催。生徒たちから、世代を越えて盛り上がれる企画として、給食を提供するカフェを提案。「ひなめぐり」での実施が決まった。
メニューは同校生徒や商店会の組合員などから意見を聞き、生徒たちがかつて食べた給食をモチーフに考案。ソフト麺を使ったミートソーススパゲティやコッペパン、ポテトサラダ、乳酸菌飲料をセットにし、1食300円で販売することになった。
同校吹奏楽部のマーチングパレードで始まった同イベント。給食カフェは行列ができるほどの人気で、用意した150食は約1時間で完売した。
数十年ぶり、という来店客は「懐かしかった。昔よりおいしく感じた」と満足そう。
「予想以上の盛況でうれしかった」という生徒たち。材料費などの経費を除いた全収益を、能登半島地震の被災地に寄付することにしており、「今回の活動が間接的にでも支援になれば」と話していた。
(2024年5月掲載)
佐賀県立鳥栖商業高等学校の最寄駅、JR「肥前麓駅」。全校生徒の約半数が利用する無人駅だが、2022年3月、運営母体のJR九州は維持管理費削減などを理由に、同駅トイレを閉鎖した。この事態に鳥栖市では、再開を望む地元住民の声を背景に、同駅の利便性を確保し、鉄道の利用促進を図るため、市の職員が週2回駅トイレの清掃と維持管理を担うことで、同年8月からトイレ利用が再開された。
このことを知った同校生徒たちは、生徒会を中心に自分たちに何かできることはないかと考え、市職員にトイレ掃除に来てもらうのは申し訳ないので、駅を利用する自分たちも協力したいと、市に申し出た。
市からもありがたいと歓迎され、当面の間、週2回のうち1回を生徒たちが担当することになった。
同年の9月12日、最初のトイレ掃除を実施して以来、放課後を利用して続けてきた。市では2023年7月から清掃業務委託することとなり、市職員の清掃活動は終了したが、同校生徒たちは続けていくこととし、現在も継続して、各クラスの委員を中心に参加希望者を加えて掃除を行っている。駅を利用しない生徒の参加も多いという。
また、生徒たちはトイレ利用のマナー啓発にも力を入れており、こうした活動に取り組む生徒たちを讃えようと、2022年11月には日本トイレ研究所から表彰を受けた。さらに2024年2月には、鳥栖市長が同校を訪れ、生徒の代表に感謝状を手渡した。贈呈式に出席した3人の生徒は、「とても嬉しく誇らしい気持ち」「全校生徒が積極的に参加してくれたおかげ」といい、地域の課題は自分たちの課題との思いで、今後も継続していきたいと話していた。
(2024年4月掲載)
北海道北見工業高等学校は、北海道の北東部、オホーツク管内唯一の工業高校として、地域に開かれた教育を目指しており、その一環として、生徒を中心としたボランティア活動を推進。日々の学びを生かした多彩な貢献活動は、地域から高く評価されている。
生徒たちがボランティア活動を積極的に取り組む原動力は「地域への感謝」。
近隣の幼稚園玄関前の駐車場の白線(ライン)引き。生徒や住民が多く利用するJR東相内駅の花壇の整備や駅舎、ベンチ、木柵などの修繕。防犯ボランティアでは、若者が闇バイトに手を染めないよう訴える特殊詐欺被害防止ポスターの製作など、これまでの功績に、北見警察署から感謝状が贈られている。
今年の4月4日には、地域と校地内の清掃活動を実施。例年、雪解け後に行う活動で、今回はラグビー部、野球部、陸上部、科学部の2、3年生約30人が参加した。生徒たちは、同校前を通り、通学などで利用する国道39号や夕陽ケ丘通り沿い、住宅街などを、午前8時半から約3時間かけて清掃。冬の間、凍結した道路での車のスリップ事故や、歩行者の転倒事故を防ぐために撒かれたビリ砂利などを、ほうきで丁寧に掃き寄せ、バケツに回収したほか、ペットボトルや空き缶などを拾い集めた。
参加した生徒は「いつもお世話になっている地域の方々に、恩返しの気持ちで取り組んだ」と話す。4月17日には建設科の2年生も清掃活動を実施。生徒たちは今後も地域ボランティアに参加したいと意気込みを見せていた。
(2024年4月掲載)
沖縄県立那覇商業高等学校の生徒会は、2024年3月、卒業生が自分の制服を新入生に譲る「制服リレー」を初めて開催した。
今回の活動は、同年1月、伝統校の品格があり、機能的で明るく清楚と、好評価を得ている同校の制服に関し、ある保護者から「制服の受け渡しをやっていないか」との問い合わせがあったことがきっかけ。生徒会が、制服を未来につなぐ取り組みとして学校側に提案し、実現することになった。
3年生への制服提供の呼びかけは、生徒会が担当。高校3年間の思い出がつまった制服が、新入生に役立つならと、3月1日に卒業した生徒たちから、女子生徒用の上着36着、ネクタイ6本、学ラン2着、男性用ズボン2本が寄せられた。
譲り受けた制服は、家庭クラブの生徒が、できるだけきれいな状態で手渡したいと、1着1着ていねいにチェックし、修繕も行った。
3月18日、同校武道場で開かれた譲渡の日には、生徒会の告知で知った新1年生が保護者と訪れ、わずか1時間ほどで全ての制服が新しい持ち主へと受け渡された。
大切に着てもらえたら嬉しいと話す生徒会メンバー。保護者からも入学時はいろいろとかかるので、この取り組みは経済的負担を軽減でき、とても助かると好評といい、「実施してよかった」「来年は自分の制服も寄付したい」と笑顔に。
生徒たちの頑張りを見守ってきた教諭は「制服リレーは学校の新しい伝統になると思う」と評価していた。
(2024年4月掲載)
岐阜県立関高等学校の生徒たちは、100年を越す伝統のもと、地元との交流や地域振興に取り組む活動を進めてきた。
2019年に関市特産「ほらどキウイ」を未来に残していくため、JAや地元企業、協力機関などが立ち上げた「ほらどキウイを未来につなごうプロジェクト」に参加。キウイの植樹など持続可能な農業と地域社会づくりを目指す活動を推進。当時の生徒が廃棄予定のキウイを使って焼肉のタレ(ほらタレ)やドレッシング(ほらドレ)を考案し、関市のふるさと納税返礼品に選ばれた。
先輩たちの活動を受け継ぐ生徒たちの「ほらどのめぐみ」も、特産キウイを軸とした洞戸地域振興をテーマに、インスタグラムやユーチューブを使って洞戸の魅力を発信する他、2023年には、多くの人に洞戸に来てもらおうと、キウイ狩りと料理体験ができる「親子ツアー」を企画。さらに、自分たちで考案したキウイフルーツのカップケーキやババロア、どら焼きなどを販売するマルシェ開催など、活動を発展させてきた。
メンバーは、高校生が地域の課題解決に向けた実践例を発表する「全国高校生マイプロジェクトアワード」の岐阜県代表として、3月に行われた全国大会に出場。県大会で高齢化するキウイ農家の後継者育成が喫緊の課題なら、短期的な打ち手も必要と指摘されたことから、メンバーは空き家を改修し、週末に宿泊して農業を体験するシェアハウスを構想。興味を持つ人が始めやすい環境づくりを考えたと話す。
メンバーは全国から集まった48のチームから多くの刺激を受けたといい、洞戸の課題解決に力を入れていきたいと意欲を見せていた。
(2024年4月掲載)