
世のため、人のために立派な行いをしている高校生達を紹介します。
高校生達の活躍を、ぜひご覧ください。
最新のニュース
■ 海洋汚染防止へ プラスチックの糸くず流出防ぐ布の織り方や洗濯方法を探求 岡山県 倉敷工業高校 テキスタイル工学科5人の2年生
■ 地元美作市の名産海田茶を入浴剤に 飲む以外の活用法を考案 岡山県 林野高校 3人の3年生
■ 規格外のリンゴでスムージーを作ろう 地域で体験会も実施 岩手県 水沢農業高校 農業科学科3年生のみなさん
■ 山口県とっておきの特産品や郷土料理を題材に 短編小説集を発行 山口県 厚狭・厚狭明進高校 総合文化部のみなさん
■ 誰一人取り残さない『スマホ相談会』 参加者から「本当に助かった」 佐賀県 鹿島高校 生徒のみなさん
■ 5つの保育園の親子と「どうぞのいす」製作 〜思いやりの連鎖!! ありがとうをつなぐ気持ち育む〜 長野県 下伊那農業高校 アグリサービス科3人の3年生
■ 地元の町のジオラマ使った防災教室 子どもたちと危険箇所探る 岩手県 岩泉高校 1、2年生のみなさん
■ 開業50周年 地元スキー場の3つの季節描く絵画制作 岩手県 北桜(ほくおう)高校 美術部のみなさん
■ お米で作るアイスクリーム考案 作り方講座開き、農業の大切さ伝える 岡山県 岡山操山(そうざん)高校 3人の2年生
■ 佐久地域の風習 8月1日、江戸期の洪水犠牲者の墓参りに供える花束販売 長野県 佐久平総合技術高校 農業科(生物サービス科植物活用コース)3年生のみなさん
■ ライチョウのヒナの野生復帰へ 好物の高山植物を収穫し届ける 長野県 白馬高校 国際観光科3年生のみなさん
■ スイカの残渣を堆肥化し、イチゴ栽培に活用 環境配慮の循環農業探求 鳥取県 倉吉農業高校 生物科園芸コースのみなさん
■ 通学利用の無人駅 10年越える清掃活動に感謝状 愛知県 豊川特別支援学校本宮校舎 生徒会のみなさん
■ 80年前、豊川海軍工廠で起きた同世代の悲劇、語り継ぐ創作劇「すけっちぶっく」公演 愛知県 豊川高校 演劇部のみなさん
岡山県立倉敷工業高校のテキスタイル工学科5人の2年生が、洗濯によって出る糸くずの流出の仕組みや、抑える方法の研究に取り組んでいる。
研究タイトルは「撚糸の方法や生地の織り方と放出される洗濯くずの相関関係の研究」で、授業とは別に、放課後などの時間を利用して進めている。
ポリエステルなどの化学繊維衣服を洗濯すると、排水時にプラスチックの糸くずが流出し、海を汚す原因の一つとされている。
生徒たちはその原因を探るため、県名産の「デニム」と「帆布」を使用。実験では縦50cm、横125cmに切った生地の端をミシンで縫い、洗濯機で水量、時間も同じ条件で洗い、排水をフィルターで濾過して集めた糸くずを乾燥させ、質量を計測した。その結果、デニムからは0・02グラムの糸くずを回収したのに対し、帆布からはほとんど回収されず、繰り返し行った実験でも結果は同じだったという。
5人は織り方に原因があると考えた。綾織のデニムは縦糸が露出しているため、糸くずが出やすく、平織の帆布はしっかり織り込まれているので出にくいのだろうという。
また生徒たちは、回収した糸くずを電子顕微鏡で観察。こんなに多くの糸くずが出るのかと驚いたといい、普段着ている化学繊維の服からは、もっとたくさん出ているはずで、目に見えないプラスチックの糸くずが流出して、海洋汚染につながっていることを改めて気付かされたと話す。
現在、生徒たちは糸くずが出にくい織り方や布の開発、洗濯方法の研究に挑戦しており、マイクロプラスチックの放出を抑える技術の開発につながればと、意欲を見せている。
(2025年11月掲載)
「すべては光る個性の輝き」を校訓とする岡山県立林野高等学校の生徒たちは、地元美作市の活性化に向けた様々な活動に挑戦している。
2025年度には、3人の3年生が地元美作市の海田地区で生産される「お茶」の新たな活用法を考案した。
地域と連携して取り組む同校独自の課題解決型学習「みまさか学」の一環。県北東部の山間にある海田地区は、昼と夜の寒暖差が大きいことから良質なお茶が育ちやすく、これまでも先輩たちが海田茶の魅力を発信しようと、お茶を使ったプリンやかき氷などを開発。地域のイベントなどで販売し、好評を得てきた。
今回3人は飲む以外の活用法はないかを考え、選んだテーマは「美容」。探求を進める中で、お茶が持つ抗酸化や抗菌、リラックス作用に着目し、茶葉を使った「入浴剤」の開発を決めた。
3人は試作を進め、煎茶の茶葉と重曹にクエン酸を加えて紙パックに詰め、湯船に入れるとシュワシュワと泡を出しながら茶の爽やかな香りが広がる入浴剤を考案した。
3人は海田地区の老舗茶舗を訪問し、試作品について相談。「粉茶の方が濃い色が出る」「煎茶よりほうじ茶の方が、焙煎の香りでリラックス効果も期待できる」など、店主のアドバイスを得て改良を続けるという3人。11月9日には津山市の中心商店街で行われる「未来の商店街」の空き店舗で、お披露目を兼ねたワークショップを開催。先着100人に入浴剤作りを体験してもらった。
「楽しかった」という参加者の声に、3人はお茶の入浴剤をきっかけにして、「海田茶の新たな魅力、可能性を広げていきたい」と話し、「将来的には消費拡大にもつなげたい」と意気込んでいた。
(2025年11月掲載)
岩手県奥州市の県立水沢農業高校の生徒が、2025年10月22日、市内の特別養護老人ホームを訪れ、規格外のリンゴを使ったスムージー作り体験会を開催した。
実施したのは、農業科学科果樹専門分会の6人の3年生。規格外リンゴのスムージーを作ろうと考えたきっかけは、味は変わらないのに、出荷できず廃棄してしまうのは「もったいない」との思いから。同校の農園で収穫するリンゴのうち約3分の1が規格外という。生徒たちは昨年度の課題研究の授業で、捨てられるリンゴの活用法の検討を進め、子どもからお年寄りまで、世代を超えて楽しんでもらえるスムージーに行き着いた。
体験会を開いた特別養護老人ホームとは、5月から交流を始め、この時は利用者を同校果樹園に招待し、摘花や摘果などを体験してもらった。
今回は生徒たちがホームを訪問。初めに、手作りの紙芝居でリンゴスムージー作り体験に至った経緯を、お年寄りにも聞き取りやすい語りで紹介した。
続いてスムージー作り。生徒が考案したスムージーは、同校で生産するリンゴジュースと規格外リンゴに、牛乳、少量のバナナなどを使用。利用者からは「リンゴの風味もしっかり味わえて、おいしかった」と好評で、「孫やひ孫のような高校生たちと交流できて嬉しい」との声も。
6人は「笑顔をもらえて最高の気分だった」「どうすれば効率よくスムージーを作れるか、話し合って改善した」という。指導する教諭は「体験回を重ねるごとに、生徒たちは学び、改善している。大人や子どもとの会話も上達している」とその成長を喜んでいた。
(2025年11月掲載)
山口県立厚狭・厚狭明進高校は、2025年4月、厚狭高校と田部高校が統合し開校。両校の伝統を生かしつつ、後世に残せる伝統を築いていくと意気込む生徒の思いの中で、新たに誕生したのが総合文化部だ。
新聞広報班・茶華道班・美術班で形成される同部が取り組んだのは、短編小説集「しあわせ青春レシピ〜高校生の暮らしのトビラ〜」の発行。
執筆したのは9人の部員で、物語はフィクションだが、友情や恋愛、家族だんらんなど、高校生の日常に同県の郷土料理や特産品、ファッションなどを取り入れた「山口県とっておき物語」全17編。
題材は、山陽小野田市特産の「おのだネギ三昧」や「寝太郎かぼちゃ」、前身の厚狭高校時代から引き継ぐ「藍染め」や、市のふるさと納税返礼品にも選ばれたオリジナル開発商品「梅玉ドレッシング」などで、美術班の部員が各話に沿ったイラストを描いた。また、それぞれの物語の最後に、取り上げた特産品や郷土料理などに関するコラムを掲載。山口県のとっておきをわかりやすく解説している。
短編小説集は、山陽小野田観光協会の助成を得て、A5版68ページで300部を製作。同校と市役所ロビーで無料配布している他、市民活動センターにも特別コーナーを設置した。
「小説を書いたのは初めて」という生徒たち。「完成した時はこれまでにない嬉しさがあった」「個性豊かな小説集になったと思う」と力を込める。
顧問の教諭は「生徒たちは初めての挑戦だったが、前向きに取り組んでいた」と話し、高校生ならではの感性が生きた一冊になったと思うと、部員たちの頑張りを讃えていた。
(2025年11月掲載)
2025年夏、佐賀県立鹿島高校の生徒たちは、日頃の学びや部活動などでの知識、技術を生かして、「宿題サポート教室」や「絵画教室」、「書道教室」「プログラミング教室」の出前教室を開催。子どもたちに、問題の解き方やアドバイスを送った。
8月4〜6日には、生徒約50人が講師となって、市民にスマートフォンの使い方を教える「スマホ相談会」を、鹿島市のショッピングセンター内の市民交流プラザで実施した。
同校と市が地域課題の解決を目的に取り組む「鹿島さいこう!プロジェクト」の中で、2024年、生徒たちが、市民がデジタルをより身近に感じられる環境づくりが必要と、スマホ相談会の開催を市に提案。市のDX推進室や鹿島デジタル社会推進協会の協力を得て、2025年、本格的な取り組みとして実現した。
『鹿島高校生による誰一人取り残さない「スマホ相談会」』と題され、主にスマホ初心者やシニア世代を対象に開催された相談会には、三日間で市民103人が参加。揃いの赤い法被姿の生徒たちは、基本操作や写真の撮影方法、市の公式LINE「てのひら市役所」の使い方などを伝授した。参加者からは不要なアプリの消し方や整理の仕方、LINEグループの作り方など様々な相談があり、生徒たちはわかりやすい言葉と操作方法を説明。参加者からは「このような場所が欲しかった」「困っていたことも解決し、本当に助かった」「褒めてもらい自信がついた」と感謝の言葉が寄せられた。
「人に教えるのは難しかった」と語る生徒たち。いろんな人とお話することで、地域の実情がわかってよかったと話し、今後も継続して開催できればと願っていた。
(2025年10月掲載)
長野県下伊那農業高等学校のアグリサービス科で、保育をテーマに探究学習を行う3人の3年生が、近隣の保育園を訪れ、絵本『どうぞのいす』をイメージして製作した「いす」を寄贈した。
生徒たちは2025年の9月中旬、同校に5つの保育園から親子2組を招待して、『どうぞのいす』を題材にしたワークショップを実施した。3人は探究学習での調査や市の保育家庭課での聞き取りなどで、子どものコミュニケーション能力低下や親子のコミュニケーション不足を知り、その課題解決の一つとしてワークショップの開催を企画。当日は、絵本の読み聞かせや親子でいすを組み立てたり、グッズを作ったりすることで、親子の会話も弾んだという。いすは、うさぎの耳を思わせる背もたれが特徴で、高森町の家具製造会社の協力で開発した。
絵本『どうぞのいす』は、登場するうさぎが、自分では使わず、見知らぬ誰かにゆっくり休んでもらおうと作ったいすを通して、動物たちが思いやりと優しさをつないでいく物語で、40年以上も読みつがれている。
3人は後日5つの保育園を順次訪れ、完成したいすとどんぐりやハチミツなど絵本に登場する小道具を、園児たちに手渡した。そして、絵本の読み聞かせや子どもたちと物語のようにいすへ物を置いて遊んだりして交流。飯田市と高森町の各保育園では、園児たちが『どうぞのいす』の動物になりきって演じ、感謝の気持ちを表した。
生徒たちは「絵本に出てくる動物たちのような思いやりと、『自分も誰かに優しくしたい』という気持ちを育んでくれたら」と願っていた。
(2025年10月掲載)
岩手県立岩泉高校では課題探究型学修《KIZUKIプロジェクト》を推進。テーマの一つ「防災」では、岩手県の復興教育推進事業の一環として、2024年から地元の小学校と連携した「ジオラマ防災教室」を展開している。災害が発生する危険が起きた際、児童が自分の命を自分で守り、小学生の段階から地域の防災・減災を考えられるよう、自分たちの町への理解を深め、防災・減災に役立つことを目的に企画された。
講師を務めるのは同校の生徒たち。2025年度は9月22日に実施。1、2年生12人が岩泉町立小本小学校を訪れ、4、5、6年生の児童24人にジオラマを使った防災授業を行った。
同地域は東日本大震災の津波や大雨の被害を受けており、児童たちも真剣。
授業ではまず、地震や津波が起きた際の正しい行動など、身近な防災についてクイズ形式で考えながら、児童と一緒に段ボールで作った小本地域のジオラマを組み立てた。
生徒たちは、完成したジオラマをもとに、児童に町の特徴や高低差などを確認してもらい、津波や大雨で浸水被害や土砂災害が起きそうな危険箇所に印をつけた。
続いて、津波や洪水が起きた時はどこに避難すればいいのか、避難経路は、逃げた場所は安全なのかも確認。最後に、なぜその避難経路を考えたのかを、児童と一緒に発表した。
児童たちは、「危険な場所って意外に多い」と発見があった様子で「今日の授業を生かしたい」と話す。
講師役の生徒は「子どもたちが関心を持って取り組んでくれた」「災害時に、冷静に考え、判断して行動出来るようになってほしい」と述べ、今後も防災教室を続けていきたいと力を込めた。
(2025年10月掲載)
2024年4月、福岡工業高等学校と一戸高等学校が統合し、開校した岩手県立北桜高等学校。生徒たちは両校の伝統である地域交流や貢献活動に力を入れている。
2025年度も、一戸町で開館100年を超える映画館「萬代館」でのチャレンジショップの他、地域清掃や近隣中学校への出前授業など、活動内容も多彩だ。
美術部が取り組んだのは、2024年に奥中山高原のスキー場が開業50周年、ホテルが開業30周年を迎えた記念にベニヤ板(縦182cm、横91cm)3枚に描いたアクリル画。それぞれ高原の夏、秋、冬の3つのシーズンをイメージしている。
制作のきっかけは、施設の運営会社が同校に依頼、10人の部員が担当することになった。
部員たちは絵の構想を練るため奥中山高原に足を運び、風景や自然、環境などを確認。10人は3班に分かれ、1月から制作を始めた。
基本的な構図は同部の部長が、夏は「緑が揺れている高原」、秋は「茜色の夕暮れ」、冬は「奥中山スキー場」をテーマに考えた。
3枚の絵には白い太陽が印象的に配置され、夏は、緑の濃淡で高原や空と雲を表現し、高原を走る犬とジェラートを持つ少女2人が。秋は、紅葉の高原で茜色に染まる空を見つめる少年に、絵の鑑賞者に語りかけるように正面を見つめるキツネが。冬は青を基調に、スノーボードに乗る少女、ソリを持つ少年に雪だるまとウサギがかわいらしく描かれている。
7月に完成し、ホテルの食堂に展示された3枚の絵を前に、部員たちは「訪れた方の記憶に残るよう、思いを込めて描いた」「私たちの地域を愛する心と誇りに思う熱い気持ちも感じてもらえれば」と話していた。
(2025年10月掲載)
岡山県立岡山操山高校の生徒たちは、創立以来125年の伝統として、地域や社会に貢献すべく様々な活動に挑戦している。
2025年度も多彩な取り組みが進められる中で、3人の2年生がお米で作るアイスクリーム「らいすくりーむ」を考案した。
3人は、総合的な探求の時間「未来航路」としてチームで活動。減少する米の消費量や、農家の担い手不足など、農業の課題解決に向け、春から本格的な探究活動を展開。まず始めたのが「らいすくりーむ」の開発だった。
メンバーの母親が作る米粉を使ったアイスクリームを参考に、自分たちなりにアレンジ。炊いたご飯150gに水50ml、砂糖小さじ4杯、塩ひとつまみをミキサーで混ぜて、バニラエッセンスを少量加えて、冷凍庫に約1時間凍らせれば出来上がる。ただ3人によると、追加する材料を何にするか試行錯誤の段階で、多くの人に食べてもらい、感想や意見を聞きながら改良を重ね、将来的には商品化も目指したいと話す。
3人は、7月18日に開催された「さいだいじ日曜朝市」に出店、50個を販売した。お米のふっくらした食感と優しい甘味が好評だったという。
続いて8月には3ヶ所の公民館で、小学生を対象にしたワークショップ『らいすくりーむを作ってみよう!』を開催。1時間凍らせている間は、参加した子供たちに、クイズ形式で農業の課題をわかりやすく解説したり、活動の目的をまとめた紙芝居を披露。子供たちからたくさんの質問を受けたという3人は、「農業の大切さが伝わったと思う」と言い、農業をもっと知ってほしい、お米や野菜をもっと食べてほしいという思いを込めて、今後も活動を続けていくと力を込めた。
(2025年10月掲載)
長野県の佐久地域では、江戸時代の寛保2年(1742年)8月1日、千曲川流域で「戌の満水(いぬのまんすい)」と呼ばれる大洪水が起きた。約2800人とも言われる犠牲者を弔うため、同地域では毎年8月1日にお墓参りをする風習がある。
長野県佐久平総合技術高校の生徒たちは、この日に合わせて毎年、浅間キャンパスで墓前に供える花束の販売会を開いている。2015年に旧臼田高校と統合した旧北佐久農業高校時代からの伝統の催しで、取り組んでいるのは農業科(生物サービス科植物活用コース)の3年生。
授業の一環として、生徒たちは5月の初めごろに小菊やアスターなどの栽培をスタート。心ならずも亡くなった先祖を慰める花々であり、丁寧に大切に育ててきた。
7月下旬、白やピンク、赤、黄色など美しく開花した花々を収穫した。「昨年より本数が多く、きれいに咲いた」という生徒たち。テーブルに並べた切花を、色のバランスを考えながら本数を揃え、長さ60センチほどになるよう茎を切り揃えて花束にし、ビニールで包んだ。
1束400円で約520束を用意し、7月31日午前10時から販売を開始。「がんばって育てたので、たくさんの人に買って欲しい」の期待に応えるように、多くの地域住民が購入に訪れ、瞬く間に完売した。
「買ってくれた人がきれいと思ってくれたらうれしい」と話し、お盆前の8月12日も約400束を販売した。また同月29日には、佐久市の玄関口JR佐久平駅の利用客を花で出迎えようと、改札口前に佐久市の花であるコスモスを植えたプランターを並べた。生徒たちは、これからも自分たちで育てた花で、地域貢献していきたいと話していた。
(2025年10月掲載)
環境省が中央アルプスで進める、国の特別天然記念物で絶滅危惧種のニホンライチョウ復活と野生復帰事業について学ぼうと、2025年7月23日、長野県の高校生が、ヒナのエサの高山植物を収穫する体験学習を実施した。長野県白馬高校国際観光科3年生12人で、選択授業「観光とまちづくり」の一環。
当日生徒たちは、標高1515mに位置し、300種以上、約200万株の多種多様な高山植物を栽培する白馬五竜高山植物園を訪問。同園がヒナの食草用として育成するタデ科の植物「ムカゴトラノオ」を刈り取った。「ムカゴトラノオ」は葉や実が柔らかくヒナの好物という。
その後生徒たちは、現在、3羽のヒナを育てる大町市立大町山岳博物館に向かい、ライチョウ担当の学芸員に、収穫した約60本を手渡した。
今後、同博物館の他、ライチョウ保護増殖事業に参加している長野市茶臼山動物園、那須どうぶつ王国、いしかわ動物園に送られ、ヒナたちのエサとして活用される。
高山植物には毒を含むものがあるため、ライチョウは解毒のための腸内細菌を有している。しかし、ヒナにはないことから、同博物館では野生種と同様の腸内環境に整えるため、野生のライチョウのフンから作った粉末を与えているという。
「初めて知ることも多く、勉強になった」という生徒たち。実際にライチョウや高山植物を見たことで、地元の観光を支えている自然について学ぶことができたと話し、今後の学びに活かしていきたいと意欲を見せていた。
なお、ヒナの野生復帰は9月に2回に分けて実施され、成鳥と合わせて計20羽が駒ヶ岳頂上山荘周辺で放鳥された。
(2025年9月掲載)
1885年開校の鳥取県立倉吉農業高等学校。140年の歴史に培われた農業教育を通して、生徒たちは知と技の習得に努め、地域社会に貢献できる人材となるべく挑戦を続けている。
「農業」の新たな可能性を切り開くべく、現在、新たに進めているプロジェクトが、スイカのつるや葉、規格外の実などの残渣を堆肥化し、イチゴを育てる「スイカとイチゴで循環農業〜地球温暖化に歯止めをかける優しい農業の探求〜」。
生物科園芸コースの3年生が3年前からチャレンジしている課題研究。これまで廃棄していたスイカ残渣を、SDGs(持続可能な開発目標)の観点から活用して堆肥化し、スイカ栽培後に定植時期を迎えるイチゴ栽培に使うことで循環農業を推進する取り組みだ。
生徒によると、同校のスイカ栽培の園地約160平方メートルから出る残渣は、約1.5トンにもなる。これを1箇所に集め、米糠を混ぜ合わせると1ヶ月弱で堆肥に。全国有数のスイカ産地、鳥取県全体での残渣は膨大な量になると推測され、堆肥として再利用すれば環境に配慮した農業につながると、生徒たち。サラダ水菜に使用した実験では、草丈や葉の数などは通常使う牛ふんを上回り、食味も良好だったという。
イチゴ栽培での実験もすでに進行中で、将来的には環境配慮のイチゴとして、ブランド化したい考えだ。
同プロジェクトは「令和7年度とっとり夢プロジェクト事業」の支援を受けており、生徒たちは、コストの安いスイカ残渣を堆肥にすることで、化学肥料の使用を減らし、温室効果ガスの低減も期待され、社会貢献にもつながっていくと、力を込めた。
(2025年9月掲載)
「よいことは進んでやろう」を校訓の一つとする愛知県立豊川特別支援学校本宮校舎。生徒たちも、校内での活動はもとより、近隣の大木公民館の窓清掃や福祉施設などでのボランティア体験など、自分たちでできる様々な地域貢献活動を展開している。
2012年から実施しているのが、生徒の大半が通学に利用するJR飯田線の無人駅「三河一宮駅」の清掃活動。1897年開業の同駅は、三河国一宮の砥鹿(とが)神社参拝の下車駅で、1990年、同神社の本殿をイメージした駅舎に改修された。
生徒たちは例年2回、日々利用する同駅を、感謝を込めて清掃しており、2025年度も7月に実施。生徒会執行部の生徒を中心に、ホームやトイレを掃き清め、学校で育てたチューリップを駅構内に並べた。
先輩から後輩へ、14年にわたり受け継がれてきた生徒会の三河一宮駅清掃活動に、「豊川駅」駅長から感謝状と記念品が贈られた。
7月22日、同校で行われた贈呈式で豊川駅長の「みなさんのおかげで、ごみひとつない駅になっています」との言葉に、生徒会の代表は、多くの人が気持ちよく駅を利用してくれると嬉しいと話し、今後も駅清掃をはじめ、地域に貢献する活動を積極的に取り組んでいきたいと意欲を見せていた。
(2025年9月掲載)
2025年8月7日、愛知県豊川市の豊川高校演劇部が市主催の「豊川海軍工廠被曝80年 令和7年度平和祈念式典」で、出席した1250人に創作劇『すけっちぶっく』を披露した。1945年8月7日の空襲で豊川高校の生徒6名も含め、2500人以上の犠牲者を出した豊川海軍工廠で働き、犠牲となった女学生が主人公のこの作品は、2020年、当時の部員と顧問が「同世代の悲劇を風化させたくない」と創作。毎年夏に上演を行ってきた。
同校では毎年8月7日を登校日と定め、哀悼と恒久平和を祈念する追悼式を開催している。
平和を祈る心で創作された『すけっちぶっく』。絵を描くことが大好きな主人公は、友人2人と紙芝居を作るささやかな日々を送っていたが、悲劇の日8月7日が訪れる。物語は、生き残った女性が現代の子供たちに語り継ぐ中で、現実と当時の出来事が交錯し、やがて現代と過去がつながる瞬間が…。
部員たちは、直接体験者から話を聞いたり、海軍工廠跡地を訪れたことで「貴重な発見や気づきがあった。この経験を劇に活かしたい」と話す。
公演当日、21名の部員は音響、照明も含め、一丸となって平和への思いを込めて熱演。脚本は毎年改訂を重ね、今年は「現代を生きる私たちへのメッセージ」がより鮮明になったという。
劇中で女子生徒が涙ながらに叫ぶ「私たちが語り継ぎます!平和になるまで!」の台詞に、観客は「劇中の人物と、演劇部のみなさんの年齢が一緒なので、より深くメッセージが伝わった」と語り、80代の観客は、作品を通して「若い世代が語り継いでくれて頼もしい」と話していた。
(2025年9月掲載)