
世のため、人のために立派な行いをしている小学生・中学生達を紹介します。
子供達の活躍を、ぜひご覧ください。
最新のニュース
■ 有川港ターミナルに鯨のねぶたを展示 利用客に島の魅力伝える 長崎県 新上五島町立魚目(うおのめ)中学校 特別支援学級の生徒たち
■ 大人も防災知識の更新を 自主防災の意識磨くカードゲーム考案 鳥取県 米子市立福生(ふくいけ)中学校 「ソタクリエイト」のみなさん
■ 助かる命を救いたい QRコードでAED設置場所示すカード制作 長野県 松本市立丸ノ内中学校 AED班の4人の3年生
■ 町の宝「縄文くらら」の短編アニメやオリジナルグッズ製作 野辺地の魅力発信 青森県 野辺地町立野辺地(のへじ)中学校 美術部のみなさん
7つの有人島を含む約70の島々で構成された長崎県新上五島町。2024年12月、町立魚目中学校の生徒が「鯨のねぶた」を製作し、島の玄関口、有川港ターミナルビルに展示した。作成したのは特別支援学級の4人の生徒たち。鯨の他、教会、ツバキなど上五島の多彩な魅力を、利用客にアピールしている。
同年7月から取り組みをスタート。担当教諭の指導で針金と障子紙を使って組み立て、ていねいに色を塗り、半年かけて仕上げた。
鯨や教会を表現する際は、事前に新聞記事や資料などを調べるなどして知識を深め、デザインしたという。
鯨は、青い海を元気よく尾びれを跳ね上げ、かつて捕鯨の島として栄えた上五島を表している。
夕陽のような赤を背景にして建つ教会は、国の重要文化財「頭ヶ島(かしらがしま)天主堂」で、2018年、ユネスコの世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「頭ヶ島の集落」にある教会だ。
またツバキは、島の花であり680万本以上自生しており、全国一と言われている。
2025年3月初めまで展示された「鯨のねぶた」。島の沖合で遭難した同志を祈る坂本龍馬像と一緒に、多くの利用客を出迎え、「かわいい」などの声が寄せられていた。
指導した教諭は「郷土の魅力を掘り下げて見つめることで郷土愛も深まったようだ」と生徒たちの成長を喜んでいた。
(2025年2月掲載)
米子市立福生中学校の4人の3年生が、世代を問わず防災知識を身につけられるカードゲームを考案した。きっかけは2年次の総合的な学習の時間で「防災避難シミュレーションゲーム」をした中で、子どもは防災教育を受ける機会は多いが、日々忙しい大人たちは新たな防災知識を得ることが難しいのではないか。その解決策として、ゲームならいつでも楽しく防災について学べるのではと、と考えたことから。
4人はチーム「ソタクリエイト」を立ち上げ、試行錯誤の末に開発したカードゲーム「SHYG(シャイグ)」は、巨大地震など起きた災害に対して、プレーヤーがさまざまなシナリオを体験しながら適切な行動を選ぶことで、避難場所と食料が確保できる。ゲームはターン制で、毎回異なる展開を楽しむことで防災知識を深めることができるという。
4人は、2024年夏、「SHYG」を通じて防災教育の輪を広げたいと製品化を考え、その資金を得るためクラウドファンディング(CF)を実施。100人を超える支援者から、目標の50万円を上回る61万5千円が寄せられた。これに鳥取県の補助金を活用し、同年11月に50セットを製造することができた。
2025年1月、生徒たちは鳥取大学に招かれ「SHYG」の体験会を開催。参加者から「非常に考えられている」「現実でもありそうなハプニングも起きて、ゲーム性も高く楽しかった」と高く評価された。
生徒たちは50セットのうち、希望する米子市内の小中学校へ配布し、米子市にも寄贈。1月末からは一般販売を開始し、全国各地から注文が来たという。4人は「このゲームが防災を考える入り口になったらうれしい」と話していた。
(2025年2月掲載)
長野県松本市の市立丸ノ内中学校。開校以来「自治の精神」をモットーに、生徒たちは日々の学びの中で、自分たちで課題を見出し、計画的に取り組む「律する心」、自分から発して仲間とともに創り上げる「磨く心」、多様性を受け入れ互いの幸せを願うことができる「思いやる心」を育んでいる。
2024年度においても、総合的な学習の時間でAED(自動体外式除細動器)について学んできたAED班の3年生4人が、緊急時にAEDの設置場所が確認できるQRコードを載せた名刺大のカードを考案した。今回は、JR松本駅近くに設置された場所を中心に紹介。一人でも多くの命を救いたいとの思いで取り組んだという4人は、同駅周辺で乗降客や市民150人にアンケートを実施。AEDの設置場所を知っているかとの問いに、約7割が「知らない」との答えから、AEDが置かれた建物や場所などが一目で確認できるカードを作ろうと思い立った。
カードは財布などにしまえるよう名刺大にし、スマートフォンをかざせば設置場所がすぐにわかるQRコードや、制作した思いや配布する理由などを記した他、長く保持できるようラミネート加工を施した。
4人は用意したカードのうち100枚を街行く市民に配布。さらに学校近くのスーパーやショッピングモール内のドーナツ店の協力で置いてもらうことに。4人は「少しでも早くAEDが用意できれば、救える命がある」と強調。多くの人がこのカードを持つことで、AEDと設置場所を広く知ってもらえるきっかけになればと話していた。
(2025年1月掲載)
青森県野辺地町の有戸鳥井平4遺跡で、1998年、縄文時代後期の土偶「板状立脚土偶」が発見された。板状ながら自分の足で立つことができ、2012年、国の重要文化財に指定された。高さ32センチの大型土偶で、愛称は「縄文くらら」。
町立野辺地中学校の美術部は、この町の宝を国内外にPRすることで町の魅力を発信する活動を展開している。同町教育委員会が2019年から始めた事業の一環。部員たちは青森市のイラストレーターの指導で、同年、くららのPRキャラクターを創作。くららを紹介するチラシや、くららをかたどった11体の小型人形が、町の名所や特産品、歴史などを紹介する短編アニメ、クリアファイルやトートバッグなどのオリジナルグッズを製作してきた。
2024年10月、もっともっと多くの人に「縄文くらら」を知ってもらおうと、2年生8人が青森市の三内丸山遺跡センターで、自分たちが作ってきたオリジナルグッズの販売活動を実施。同年新たに製作したテーブルクロスやのぼり、バックパネルを活用した。これは、活動する際、お客様の目を引くようブースの装飾も目立たせたいと、3年生が考案し、部員全員でデザインから製作まで行ったもので、のぼりがあると気づいてもらいやすいと部員たち。「平凡だけど平和な町」野辺地町からやってきた中学生の呼びかけに、観光客など多くの人がブースに立ち寄り、くららのオリジナルグッズに興味を引かれていた。チラシやポストカードを配っていた部員たちは、町の宝「縄文くらら」と町の魅力をしっかりPRできたと、手応えを感じた様子だった。
(2024年12月掲載)