世のため、人のために立派な行いをしている小学生・中学生達を紹介します。
子供達の活躍を、ぜひご覧ください。
最新のニュース
■ 被災農家の稲刈りをお手伝い 自分たちが力になれる支援 山形県 酒田市立琢成(たくせい)小学校 5年生のみなさん
■ 能登復興へ 思いをつなぐ巨大モザイクアート制作 岡山県 岡山市立操南中学校 272人の1年生
■ ここで涼んで 高崎の魅力描いた日よけシート、商業施設に設置 群馬県 高崎市立塚沢中学校 美術部のみなさん
■ 外来生物のこと学んだ知識生かして 小学校で出前授業 沖縄県 石垣市立伊原間(いばるま)中学校 11人の1年生
2024年7月末、記録的大雨に襲われた山形県酒田市。土砂が流入した同市大沢地区内の水田で、手作業での稲刈りボランティアを行った子どもたちがいる。市立琢成小学校の5年生27人だ。
夏休み明け5年生は、総合的な学習の一環で、大雨被害からの復旧をテーマに、自分たちの力で何ができるのかを考えた。9月19日には、被害の大きかった大沢地区で、復旧と復興ための活動を行う団体の代表を講師に招き、被災地の現状や、全国から駆け付けた災害ボランティアが大きな力になっていることなどを聞く中で、土砂や流木が流れ込み、稲刈り用コンバインを入れることができなくなった水田で、草刈り鎌などを手に稲を刈る被災農地ボランティアがあることを知った。
「農家の手助けをしよう」と、10月2日、27人全員で大沢地区青沢集落を訪問。市街地にある同校の児童にとって稲刈りは初めてで、地元農家の指導を受けながら、ぬかるむ水田に入り、泥だらけになりながらもていねいに稲を刈り、束ね、くいにかけるなどの作業を進めた。
「手で刈るのはとてもこんなに大変だった」「稲刈りができてよかった」という児童たち。高齢の農家が多く、体力的にも厳しいため、人手も足りないことから、自分たちでできるボランティアを今後も続けたいと話す。
手刈りできなければ放っておくつもりだったという農家は、「天日干しして脱穀したお米を子どもたちに食べてもらいたい」と、笑顔で感謝していた。
団体の代表は「市街地の子どもたちが、自分たちも支援したいと実際に活動してくれたことがうれしい」と喜んでいた。
(2024年10月掲載)
2021年6月、生徒会が「SDGs宣言」を行った岡山市立操南中学校の生徒たちは、総合的な学習の時間を中心に様々な活動に取り組んできた。
2024年の1年生272人は、1月の能登半島地震で被害を受けた地域への応援の思いを形にしようと、縦7.6m、横10mの巨大モザイクアートの制作に取り組んだ。デザインのモチーフとなったのは、石川県七尾市の「のとじま水族館」で人気者だった2匹のジンベイザメ「ハク」と「ハチベエ」で、地震で水族館の設備が被害を受けた影響で亡くなっている。
生徒たちは制作にあたり、同水族館の飼育員に震災時や「ハク」と「ハチベエ」のこと、他の被災した魚たちのことなどを聞いた。7月には、奥能登で炊き出しなどの支援活動を行ったボランティアの講演を聞き、9月には現地ボランティアに参加した同校教員から、8か月経っても大変な状況であるという現実を知り、被災地への思いを表現することの大切さを再認識した。
生徒たちは2.5cm四方の色紙約12万枚を台紙に貼って、「ハク」と「ハチベエ」が元気に泳ぐ姿を表現。能登地方の1日も早い復興を願い「能登〜つなぐ〜」のメッセージを添えた。
約2か月かけて完成させたモザイクアートは、9月20日の文化祭でお披露目した後、地元企業や地域のイベントでも展示。作品が「奪われた命や被災地の暮らしに思いをはせ、自分たちにできる支援を考えるきっかけになれば」と思いを語る生徒たち。1学期末から9月にかけて募金活動を実施。同校生徒や地元企業などの協力で集めた義援金約13万円を、奥能登地方とのとじま水族館に寄付している。
(2024年10月掲載)
全国的に猛暑の夏となった2024年。群馬県高崎市では、市民に涼む場を提供しようと、市内のショッピングモールの広場の休憩コーナーに、中学生たちが描いた日よけシートが設置された。
描いたのは高崎市立塚沢中学校の美術部員たちで、4月にショッピングモール側から「たかさき」をテーマに制作を依頼され、スタートした。
3年生の部員がデザインを担当。「私たちのまち たかさき」のタイトルで、歴史や文化、自然、食など高崎市の魅力を多彩に盛り込んだ図案を、約3ヶ月かけて完成させた。
図案では、画面中央を走る上越新幹線、7〜8世紀に刻まれた3つの石碑「上野三碑(こうずけさんぴ)」や古墳など古代の遺跡、画面遠くには榛名山と白鳥をかたどった遊覧船が浮かぶ榛名湖、地上21階、地下2階建ての市庁舎や名物焼きまんじゅうなどを。また、画面左側には、90年近く市民を見守り続けている高崎市のシンボル「高崎白衣大観音」、右側には、デザイン担当の部員が特にこだわったという、高崎市民のソウルフード「高崎パスタ」を美味しそうに頬張る縁起物の「高崎だるま」を配置。「高崎だるま」の特徴である鶴を表現した眉毛、亀を表した髭も丁寧に描かれ、日差しを避け休憩する買い物客などが、日よけシートを眺めながら談笑する姿も。
10月末まで設置される予定で、8月20日、ショッピングモールを訪れた部員たちは、「部の作品が公共の場に展示されるのはあまりないので嬉しい」と話し、「多くの人に観てもらって、高崎の魅力を知ってもらえれば」と願っていた。
(2024年9月掲載)
石垣市立伊原間中学校は、2009年から地域の自然を学ぶ活動の一環として、1年生が地元でエコツアーを展開するガイドスタッフを講師に、外来種問題の環境学習に取り組んでいる。
2024年度は11人の生徒が、外来種生物への関心と理解を深めた。
授業は5回あり、1回目の活動は、特定外来生物に指定されている南アメリカ原産の「オオヒキガエル捕獲作戦」。学校周辺でオオヒキガエルを捕獲し生態や生息環境を知ることが目的で、今年は5月10日に実施し、生徒たちは9匹を捕獲した。
2回目は外来種の基礎知識を学び、3回目は冷凍保存していたオオヒキガエルの食性調査。生徒自ら解剖し、何を食べているのか胃の内容物を調査する。
4回目は座談会形式で外来種問題が抱える「命」について考え話し合い、最終回となる5回目は、これまで学んだ成果を小学生に伝える出前授業で、今年は6月28日に市立伊野田小学校で行った。
当日は1年生11人が同校を訪問。5、6年生を前に、石垣島に生息する外来生物や特定外来生物を写真で紹介し、クイズやゲームを交えながら説明した。
11人が外来種を増やさないために「他の場所に持ち出さない。生き物を簡単に捨てない。責任を持って世話をしよう」と呼びかけると、児童たちは大きな声で「はい!」と応えていた。
次に校庭内に生息する外来生物の探索を実施。体育館付近で「センダングサ」を発見した程度で、11人は「校庭をきれいにすることが対策になるのかもしれない」と注目していた。
授業を受けた児童たちは、とてもわかりやすく、外来生物が身近にいることに気づいたと話していた。
(2024年8月掲載)