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肥前鍋島藩の城下町として栄え、現在も九州の中核都市として成長を続ける佐賀県佐賀市に、1962(昭和37)年に開校した北陵高校がある。工業と福祉のスペシャリストを目指す同校は、心豊かで思いやりのある生徒の育成を目指しており、生徒も日々の学校生活で身に付けた思いやりの心を、地域への貢献活動やボランティア活動など、様々な形で発揮している。10数年前から生徒が自主的に実施している廃品回収活動や全生徒による校外清掃活動の他、ボランティア部による児童館や老人ホームでの人形劇の公演活動や福祉施設での車いす清掃などは、その一例だ。 今年の7月13日には、電子科の生徒が日々の学習で習得した知識や技術を生かし、高齢者の暮らしを支援しようと、近隣の高木瀬地区の一人暮らしのお年より宅を訪問。エアコンのフィルターや照明器具などの電気器具の他、窓ふきなどの清掃奉仕に取り組んだ。 同校生徒による地域貢献活動の一環で、昨年からスタートしたもので、6月には生活文化科生徒が独居老人宅の庭の草むしりを、12月には電気科生徒が蛍光灯の清掃・外庭の除草作業・植木の剪定・花植えなどを行ってきた。 今回は、本格的な暑さが来る前に、お年寄りの住まいを自分たちでリフレッシュしようと企画し、電子科の3年生19人が参加した。当日、作業服姿で集合した生徒は3班に分かれてお年寄り宅を訪問。住民の方と挨拶を交わした後、すぐに作業に取りかかった。洗剤やぞうきんを使って天井に取り付けられた蛍光灯や電球を一つひとつ取り外してピカピカに磨いた他、エアコンなどの電気器具も隅々に隠れたホコリも見逃さず、きれいに拭き上げた。 テキパキと作業する生徒の姿を、感心したように見守っていたお年寄りは「高いところは危なくてなかなか掃除できない。助かります」「何年かぶりにきれいにしてもらった。気持ち良く夏が過ごせます」と感謝していた。 また生徒は「他に困っていることはないですか」と話しかけ、お年寄りの注文に応じて、窓ふきなどの室内の掃除も手伝った。将来は県内で家族や地域の人のために働きたいという生徒は「お年寄りを手伝うだけでなく、いろいろな話しをすることができ、やりがいを感じた」と語り、約2時間の笑顔の交流を楽しんだ様子だった。 独居老人宅での奉仕活動に参加した生徒は、「お年寄りから喜びと感謝の気持ちをいただいた」と笑顔で話し、「我が家もしてほしい」と言う声も聞いており、今後も生徒全員で取り組んでいく予定という。 北陵高生のボランティアの芽は、今、ぐんぐん大きく成長しており、同校が目標とする「何処の場にありてもなくてはならぬ人となれ」の教育が、生徒の心に強く根を張ってきた証左といえるだろう。 |
| (2010年8月) |

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