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全国有数の巨峰の産地として知られる福岡県。その県内で地域の農に熱い思いを注ぐ鞍手農業高校果樹班が、昨年10月に行われた「第52回日本学校農業クラブ全国大会」のA部門(農業経営や流通)で最優秀賞・農林水産大臣賞を受賞した。受賞内容は「巨峰生産者と共に歩むーさかさ栽培法の確立」だ。 現在、福岡県では巨峰の生産農家は減る傾向にあるという。その理由は、他のブドウに比べ樹勢が強く栽培管理が難しいから。そこで「地域に根差す農業のために、何か良い改善策はないのか」と、同校の果樹班は8年前からクリやモモの栽培をヒントに調査・研究を続けてきたという。実際に台木に穂木を逆さに接ぎ、せんていし栽培してみた。その結果、樹勢が抑えられ栽培管理も楽になり、糖度も増した大粒の房がそろうことが実証された。そのうえ、生産面でも高い成功率を納めたという。そして、こうした生徒たちの熱い思いがもたらした成功は、農業専門誌でも取り上げられ、全国の生産農家に大きな反響を与えた。 8年間という長い時間を費やし、生徒から生徒へと受け継がれてきた努力が素晴らしい結果となったことは、果樹班のメンバーたちにとって大きな達成感と新たな挑戦へのステップになるだろう。「これからも地域への普及と共に、他の果樹への応用研究もしていきたい」と、メンバーたちはそれぞれに意欲を語っている。そして現在、この苗木繁殖方法は「さかさ取り木法」と名付けられ、特許申請中だそうだ。 |
| (2002年3月) |
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