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「自律・創造・協和」を校訓とする愛媛県立松山工業高校は、今年、創立99周年を迎えた。1世紀にわたる同校の歴史は、自ら学び、自ら律し、自ら鍛えることができる生徒を育んできた月日の積み重ねといえる。生徒も、日頃の学びはもちろん、ボランティア活動をはじめとする地域社会への貢献活動も、自らが主体となって取り組むなど、同校の伝統と校風をしっかりと受け継いでいる。 電子機械科の生徒が県内の小学校に出向き、小学生に環境問題についてわかりやすく教える「松工エコロジー出前授業」も、その一例だ。 理科離れが叫ばれる現代の子どもたちに、太陽光発電など、環境問題やエネルギー問題解決への扉を開く科学やモノづくりの面白さ、楽しさを伝え、興味を深めてもらおうというもので、2006年度からスタートさせた。 今年の5月12日には、同科の生徒6人が新居浜市別子山の市立別子小学校を訪問。同小の全児童7人を前に、7回目の出前授業を行った。 先生となった生徒が「今のまま使っていくと、石油はあと37年くらいでなくなることが予想されています」と話すと、子どもたちは驚いた様子で聞き入り、「ソーラーカーはガソリンを使わず、太陽の光を電気に変えて走っている」「一般の自動車と違い、空気を汚さず、環境にもやさしい」などと説明すると、同校生徒が持ち込んだソーラーカーに興味を引かれたように見つめた。 ソーラーカーは、電動車いすを改造したもので、講義の後、児童に運転してもらったり、生徒自作の太陽光発電装置でおもちゃの車や電動歯ブラシを動かすなどの実験を行った。 子どもたちは一様に興味を持った様子で、児童の一人は「お兄さんたちに、わかりやすく教えてもらったので、太陽光発電やソーラーカーに親しみがわいた」と笑顔で話していた。また、講師役を務めた生徒は、「子どもたちが興味を持ってくれるのを見ているとやりがいが出てくる」という。そして「これからも、呼ばれたらどこへでも行きます」という言葉にも力がこもる。 この6月に愛南町の小学校で開催した「松工エコロジー出前授業」は、06年1月、県内の工業高校の研究発表会で、ソーラーカー製作の成果を披露したのを機に、「次世代を担う小学生にも、太陽光発電の大切さを知ってもらおう」と、同科生徒が考えたのがきっかけ。同年11月に松山市の小学校で初めて授業を行い、その後、小学校側から「うちにも来てほしい」と呼ばれるようになり、松山、西予、伊予、久万高原の各市町で実施してきた。 この小学生への環境問題をテーマとした出前授業などの取り組みが高く評価され、今年の6月30日「第15回コカ・コーラ環境教育賞・大賞」(財団法人コカ・コーラ教育・環境財団主催)を受賞した10団体の一つに選ばれた。 同校電子機械科担当教諭は「教える高校生にとっても、物事の準備や発表能力など、エンジニアに必要な資質が養われる。今回の受賞を機に、生徒もいっそう意欲的になっているので、どんどん声をかけてほしい」と話し、生徒の今後のより自主的な取り組みに期待していた。 |
| (2008年7月) |

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