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1917(大正6)年に開校した岡山県立興陽高校。「農業・家庭科の専門教育の特性を生かした特色ある教育実践をとおして、地域社会に貢献できる将来のスペシャリストを育成する」を教育理念とする同校では、生徒を主体にした地域交流や地域貢献活動が、伝統となっている。 地域の人々に大好評の農産物販売「ぼっけえ祭」の開催や、家庭クラブによる福祉施設に贈るおしめの製作、造園デザイン科生徒によるみどりの日にあわせての挿し木体験会(岡山後楽園主催)のボランティア参加など、多岐にわたる活動の中で、約20年続く奉仕活動がある。 家政科生徒による「宅配お菓子」だ。これは、同校のある岡山市南区藤田地区の一人暮らしのお年寄りの自宅に、自分たちで考案し、製作したオリジナル菓子を宅配する活動だ。 今年も6月4日に同科の3年生23人が、同校の第二調理室に参集。同高農業科が生産した米粉や卵を使った「いちごの蒸しケーキ」、「米粉スティック」や、「ごませんべい」「ブラウニー」、興陽オリジナル焼き印が付いた「抹茶クッキー」(焼き印用の焼きごては農業機械科生徒が作成)を一つひとつていねいに、心を込めて手作りした。 またお菓子をセットするパッケージには、牛乳パックを使用。赤いギンガム生地を使ってカバーリング、持ち手の両サイドには花をモチーフにピンクの端切れでバラをイメージしている。 生徒は、同校の玄関前で出発式を開催。学校長、民生委員、生徒代表があいさつした後、先生が運転する車に分乗し、34戸のお年寄り宅へ向かった。 生徒が訪問すると、お年寄りは「今年も楽しみにしとったよ」と笑顔で出迎え、手渡されたオリジナル菓子の詰め合わせを見て「今年のお菓子も美味しそう」「ありがたいありがたい」と喜んでいた。 お年寄りと交流した生徒は、「受け取ってくれたみなさんの笑顔を見て、作った甲斐があった。こちらもうれしくなった」と話し、「家政科の良き伝統として、今後も続けてほしい」と、後輩に期待していた。 |
| (2010年6月) |
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