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岡山県立津山工業高校は、1941年(昭和16年)に地元の熱意で誕生した美作地区唯一の工業高校である。それだけに学校も生徒も地域に貢献する意識は高く、ボランティア活動や出前授業、まちかど工作教室など、様々な地域交流活動を展開している。 中でも環境をテーマに貢献活動を推進しているのが、工業化学科の生徒だ。冬場に枯死するヨシなどの水生植物を固形燃料ペレットに加工して校内の暖房に使ったり、地元の小学校でエコバッグ作りの出前教室を開いたりと、活発な活動を続けている。 同学科の生徒は、富栄養化したため池での水生生物を利用した水質浄化、水生植物を飼料やバイオマスプラスチックとして再利用する環境浄化システムの研究開発、廃食用油石鹸の普及開発、環境保全アドプト事業への参加など従来型の水環境保全活動に加えて、次世代を見据えた環境技術の開発研究を行っている。 その中で2002年度から研究を進めているのが、市内外のため池や河川などでの水質調査。その結果、水中生物のすみかとなるヨシやホテイアオイといった水生植物は、冬に枯死するとかえって水質を汚染することがわかり、生徒らは枯れる前に水生植物の刈り取り作業を実施している。ここで、津山工高生徒の本領が発揮される。刈り取ったヨシなどを、ただ処分するのではなく、「何かに利用できないか」と考え、実行し、固形燃料ペレットを開発したのだ。 学校に持ち帰ったヨシなどを小さく細断し、水分を加えて機械でペレットに加工。他に建築廃材や紙くずを原料にしたペレットも作り、07年冬から校内の専用ストーブの燃料に使っている。同科の教諭は「将来的には農家のビニールハウスの暖房用にも活用したい」と話し、生徒のさらなる研究に期待する。 また、同学科生徒による出前教室は5年ほど前からスタート。市内の小学校などで、環境問題をわかりやすく紹介する紙芝居の読み聞かせの他、草木染のエコバッグ作りを指導している。年に6、7回実施しており、生徒の誠実で明朗な授業は、児童や小学校から「やさしい言葉でよくわかる」「親切、ていねいに教えてくれる」と評判も良く、最近では津山市外の公民館からも依頼がくるほどの高い評価を得ている。 生徒も「環境保全などの研究や技術開発は、近年ますます重要視されている。しっかりと勉強して、地域の子どもたちや人々にわかりやすく伝えられるよう工夫していきたい」と話していた。 なお、同校工業化学科は、2008年11月6日に岡山市で開催された「第4回きれいな水と美しい緑を取り戻す全国大会」で「水環境保全活動・自然環境保全活動等功労者表彰」の最優秀賞(環境大臣表彰)を受賞しており、同校生徒の優秀さを物語るものと言えるだろう。
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| (2009年1月) |

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