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山形県 山形学院高校 「小さな親切運動の会」のみなさん
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 1908年に創設された山形学院高等学校。キリスト教の精神に基づき、「信仰・希望・愛」を校訓に、「自主・自律・思いやり」をモットーとする教育方針に、生徒も、隣人を思いやる心と、社会のために役立つ意欲をしっかりと育んでいる。 ボランティアに力を入れている部活動も多々あり、「小さな親切運動の会」もその一つだ。 特養老人ホームのお年寄りや障害を持つ子供たちとの交流を進める同会が、現在取り組んでいるのが、ブラックバスのおいしい調理法の研究である。 北米が原産地のブラックバスが日本に移植されたのは1925年のことで、神奈川県の芦ノ湖に約80尾が放流された。食用と釣りを対象に考えての導入だったが、当時から旺盛な肉食性により、在来の水産重要種へ与える影響が懸念されていたという。そして現在、全国各地で猛威を奮い、「キャッチ&リリース禁止」といった駆除への動きが強まっている。 そうした中で、同会は「バスは食べて駆除すっぺ」をキャッチフレーズに、昨年から駆除したブラックバスの調理に取り組むことになった。そして、山形県山辺町の大沼でバスを駆除して初めて調理した。今年も山形市内の沼を中心に駆除&調理に挑戦。その中心となっているのが、同校調理科で学ぶ生徒たちだ。 ブラックバスは、独特の臭みがあり、マズイ、というイメージが浸透しているが、実はスズキ科の高級魚で、原産地では白身のおいしい魚として親しまれている。しかも、老化を防ぐアミノ酸のタウリンが淡水魚としては大量に含まれており、食用として利用しようという活動が、全国的にも広がりはじめている。 とはいえ、同会のメンバーは「試行錯誤の連続だった」といい、「さすがに刺身は難しかった」と話す。そんな苦労の中で考案した料理のひとつが、“空揚げ”。切り身をヨーグルトに30分程度漬ける独自の方法でバス独特の臭みを抜き、空揚げに仕上げた。 そこで同会では「バスは食べて駆除すっぺ」の活動を、多くの人に知ってもらおうと、10月20日にメンバー3人が県庁を訪問。後藤靖子副知事に自慢のバス料理を振る舞った。 試食した後藤副知事は「白身魚の空揚げと変わらない。ブラックバスと言われないと分からない」と、生徒によるおいしいバス料理に舌鼓を打っていた。 生徒3人は「ヨーグルトに漬ける時間配分が難しい」「バスはまずいというけれど、そんなことはない」「水質の悪い沼に住めば、臭みが増すだけ。ちょっとした偏見があるのでは」と強調する。事実、滋賀県の琵琶湖博物館内のレストランが販売する「バスバーガー」は、売り切れの日も出るほどの人気メニューという。 日本の在来魚を守る活動でもあり、「小さな親切運動の会」のメンバーは、今後も「おいしいバス料理」の研究を続け、「バスは食べて駆除すっぺ」活動を周辺地域にも拡げていきたいと話している。 |
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| (2007年1月) |

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