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岩手県岩手郡滝沢村の盛岡農業高校の農芸化学科では、パン作りに取り組んでいる高校生たちがいる。「パン研究班」。メンバーは、男子2名と女子5名。彼らは4月の24日、同村の川前保育園を訪れ、園児たちに手作りの発芽玄米パンをプレゼントした。 パン研究班のメンバーが、発芽玄米パンに取り組み始めたのは昨年の4月から。きっかけは、農業高校である同校の稲作担当の先生から捨てられた玄米の再利用を提案されたからだったという。そしてメンバーたちが「玄米パン」に挑戦することに。しかし、実際に作り始めてみると、グルテンが少ないためにパンがなかなか膨らまない。これが一番の難題で、メンバーみんなが試行錯誤した結果、昨年の10月に最初のパンが完成。地元の人たちにも試食をしてもらったが「玄米の食感がダイレクトでちょっと食べにくい」と言う声もあったという。そこで材料を玄米から発芽玄米に変えたところ、食感の柔らかな美味しいパンが完成した。完成したパンは川前保育所で、おやつの時間や給食の時間にも活躍しているという。 パン研究班では、現在、ビタミンEが豊富に含まれているクルミを入れた「クルミ入り発芽玄米パン」など、生活習慣病の予防にも効果のある健康パンの制作にも力を入れているという。また、さらに健康的な自然酵母を用いたりとアイディアも意欲も満々だという。そして将来的には、文化祭やイベントで出展したり、さらには農協と提携しながら商品化も考えていきたいと話している。 |
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| (2003年5月) |
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岩手県 盛岡農業高校 関山拓君、大谷幸司君、他20人
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 盛岡農業高校の生物工学科では、チョウセンアカシジミの人工繁殖に成功した。チョウセンアカシジミは、岩手、山形、新潟県のみに生息する日本固有のチョウで、岩手県で1937年に発見された。しかし、収集家による乱獲と自然破壊で数が激減し、岩手県岩手郡雫下町などでは天然記念物に指定されている。このため、生物工学科では一昨年から、町ぐるみで保護活動をしている同町の協力を得ながら人工繁殖に取り組みはじめた。 校内に、エサとなるデワノトネリコという木を植えたビオトープを造り、孵化を試みた。町から譲り受けた58個の卵のうち46匹が孵化したが、ほとんどの幼虫はクモやアリの被害を受け10匹まで減少。しかし、その10匹がすべて羽化し、70個を産卵、自然孵化による人工繁殖が確立した。 研究を続けていくうちに交尾の時期や天候条件など、このチョウの定説を覆す生態メカニズムも解明し、岩手大学などの協力で、短時間に大量に孵化させる方法の開発にも成功。さらに世界で初めてバイオでデワノトネリコを培養し、農水省森林総合研究所から高く評価された。また同校同学科では、エーデルワイスの人工繁殖にも成功した。早池峰山に自生する国の天然記念物で絶滅危惧種=ウスユキソウの激減に心を痛めた生徒たちは、バイオ技術を応用して近似種エーデルワイスの人工増殖にも成功し、財団法人日本青少年研究所が主催する「いきいき活動奨励賞」で最優秀の文部科学大臣奨励賞に輝いた。 同賞は研究活動や国際貢献など、全国の高校生の優れた取り組みを顕彰。同校は今回、応募総数862組の中から最優秀を射止めた。 研究班は班長の関山拓君(2年)を中心に22人で構成。踏みつけや盗掘の惨状を新聞報道で知り、5月から早池峰山を現地調査した。気温、地温、水温など自生環境の測定を重ねるとともに、盗掘現場を見学し、踏みつけの実態も理解した。 ウスユキソウは天然記念物のため栽培できないため、昨年6月から近似種エーデルワイスを利用して増殖実験に挑んだ。自生環境をビーカーに再現する「自生地復元栽培法」を採用し、ミネラルなどを調整した寒天培地をつくり、温度や光量管理も徹底。早池峰山の環境を実験室に再現し、約5万株の栽培に成功した。大谷幸司君(2年)は「少し増えたら枯れてしまう。この繰り返しで辛かった」と苦労を語る。 顧問の小山田教諭と牧教諭は「人工栽培は大変だが、保護を呼び掛け、自生環境を守ることの方がずっと難しい」と、生徒らの取り組みを通じ、保護機運の高まりに期待している。 ※研究の詳細は同校HP( http://www.echna.ne.jp/~morinou/)で見ることができます。 |
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| (2002年3月) |

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