長野県の南部に位置する飯田市。300年の歴史を誇る人形浄瑠璃や国指定重要有形民俗文化財の黒田人形舞台、また、毎年8月に開かれる「いいだ人形劇フェスタ」など、人形劇のまちとして知られる同市に、飯田風越高校がある。1901年創立の同校は、生徒を主体にした社会貢献活動が伝統。中でも熱心なのが、国際教養科(
http://www.nagano-c.ed.jp/fuetsuhs/kokusai/kokusai.htm)の生徒だ。
ここ数年でも、06年にインドネシア・ジャワ島大地震の被災者救済のための募金活動を実施。07年7月に、オーストラリア干ばつ救済のための募金活動グリーンセンチュリーキャンペーンを行った他、08年8月、飯田市で開催されたアフィニス音楽祭の歓迎会に3年生が通訳ボランティアとして、同年11月には、「飯田国際交流の夕べ」に1年生がワールドステージに、2年生がブースおよび受付係としてボランティア参加するなど、多彩な活動を展開している。
今年は、7月11日、12日の両日に開催された文化祭「風越祭」で、ごみ処分場で暮らすなど貧困に苦しむフィリピンの子どもたちに届けようと、生徒や保護者などに文具や生活用品等の募集活動を行った。事前に在校生や保護者などに持参してくれるよう訴えた他、出身中学校にも回収ボックスの設置を依頼し、協力を呼び掛けた。
今回の活動のきっかけは、5月20日、3年生を対象に開催された海外の貧しい子どもらを支援している(財)修養団青年部(SYD:Supporting Your Dreams)の「貧困と共に生きる子どもたち」 の講演で、ゴミ山で生きるフィリピンの子どもたちの現状とその支援の取り組み、そして、SYDが推進している幸せの種まき運動の話を聞いたことから。
「世界には、とても厳しい環境で生活している子どもたちがたくさんいるということを知り、心が痛くなった」「前から人に役立つことをしたいと思っていた」「この子たちのために、なにかできることはないか」と、生徒の間から声が上がり、「SYD幸せの種まき運動─フィリピンのストリートチルドレンの支援活動」に協力し、文具や生活用品などの募集活動を行うことになった。
そして、生徒の熱心な呼び掛けに、在校生や保護者、出身中学校だけでなく、同校卒業生や地元企業、近隣の中学校などからも支援品が寄せられた。ある小学生からは「ぼくの机の中に眠っていたエンピツです。使ってもらえたらうれしいです」との手紙も添えられ、国際教養科の生徒を感激させた。
集まった支援品のうち文房具は鉛筆が3458本、ペン776本、ノート161冊など。生活用品はTシャツ58枚、タオル94本、歯ブラシ79本などで、いずれも未使用。今回の活動に参加した生徒は、「これほど集まると考えていなかったので、本当に嬉しい。みなさんの優しさと協力に感謝します」と話し、「何不自由なく暮らしている自分たちの幸せを、改めて思い知った」という。
こうした国際教養科の生徒を中心とした同校の取り組みが高く評価され、文化祭実行委員会から2人の生徒が、夏休み期間中の8月にSYDの「ボランティア・アクションinフィリピン」の参加者として現地に出向き、支援品を直接届けることになった。
そして、フィリピンを訪問した2人の生徒は、現地の子どもたちと交流、「文具や生活用品を持ち寄ってくれた飯田の人々の想いに報いるよう、ちゃんと届けました」と笑顔で話していた。なお、文化祭の来場者に書いてもらったメッセージカード約50枚も一緒に現地に届けられ、フィリピンの子どもたちを喜ばせた。