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「日本一」と評価されるお米「魚沼産コシヒカリ」の生産地、新潟県南魚沼市。“自然・人・産業の和で築く安心のまち”をスローガンとする同市の北部、大和地区に県立国際情報高校がある。1992年創立の同校は、80年代後半、全国で最下位だった新潟県の大学進学率を引き上げるためのモデル校として誕生した。 「学ぶ青春 意気高く」を校訓とし、受験勉強を優先する校風が特徴の同校だが、創業当初より、人間教育にも力を入れており、生徒は、地域や海外との交流活動の他、田植え、稲刈りなど体験的な学習を通して、豊かな人間性と思いやりの心を育んでいる。 しかし、授業以外で1日4時間の勉強が義務づけられ、部活動は週4回、1日1時間程度。また、毎朝の小テストで8割以上正答できない時は、放課後に補習が課せられるなど、受験に照準を合わせた厳しい学校生活の中でプレッシャーを受け、心をすり減らしている生徒も見受けられてきたという。 そこでこの春、“心身ともに健康な人間を育成する”教育目標の原点に立ち返ろうと、教員から生徒に、“放課後を利用して、近所のケアハウスでボランティア活動をしてみないか”と提案された。 すぐに生徒から反応があった。現在では20人ほどの生徒が、週に数回から月に1回程度、それぞれのペースで老人福祉施設「ケアハウス鈴懸」でのボランティア活動に取り組んでいる。 「こんにちは」「今日は何をしていたのですか」と施設を訪れた生徒の言葉に、利用者のお年寄りの笑顔が広がる。生徒も、お年寄りから聞く昔の町の様子や暮らし、仕事や家族の話の他、戦争体験の話など、勉強になることも多々あるという。 活動の内容は、入居者の話し相手になる「傾聴ボランティア」や食事の介助などの他、楽器が得意な生徒がピアノを披露し、お年寄りたちが口ずさむことも。 そんな生徒の取り組みに、教員の一人は「医師を目指す生徒がしゃがみこんで、お年寄りの目線で話す姿などを見ると、感心します」という。そして、「生徒はみんな優しい心を持っている。今後も、地域の人々に知ってもらう機会を設けていきたい」と話す。生徒も地域への奉仕活動や交流にも力を入れ、学ぶ青春を一層充実していきたいと、意欲的だった。 |
| (2009年8月) |
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