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亡き父の闘病生活を綴った本を出版
大阪府 清風高校 加納秀樹君
がんで亡くなった父の闘病生活などを綴った本が出版され、話題になっている。書名は「普通にしとこうや」(どりむ社発行・星雲社発売)。
本を書いたのは、清風高校(大阪市天王寺区)3年の加納秀樹君(18歳)。学習塾を経営していた父・聖司さんは、平成11年1月末に「末期の肺がん」と宣告を受け、約1年半後の平成12年6月、44歳で亡くなった。
普通の闘病記なら、悲しみに暮れる本人や家族の姿が前面に出て、哀しさばかりが先に立つが、この本には、そういう重苦しさがまるでない。
残された命をまっとうした父を尊敬の念をもって見つめ、「素晴らしい日々をありがとう」と感謝する。
「もちろん、父から病名を告白された時は皆、動揺しました。母は泣き崩れ、いつも明るい父も沈んでいました。でも、その時は僕もまだ楽観的で、重苦しい空気を追い払いたくて『普通にしとこうや』と言ったんです」と秀樹君。
この言葉を聞いた母・佳世子さんは、その時は「なんて冷たい子なんだろう」と思ったというが、秀樹君が発したこの言葉は、残された父の「生」を、家族全員が前向きにとらえるための「キーワード」になっていった。本のタイトルは、迷わずこの言葉から取った。
本書の中には、まるで何ごともない平和な家庭のような、幸せな日々が、カラッとした文章で綴られている。「週末にはドライブをしたり、フィリピンやハワイへ海外旅行にも行きました。普通のがん患者にはとてもできない生活だと思います。とにかく、父は一日一日を大事に生きました。こんなに早く父を亡くしたことはとても悲しい。でも、父と過ごしたこの一年半は、他の人の40年に値するぐらい濃密な一年半だったと思います」と秀樹君は語る。
母の勧めと出版社の協力で本を書くことが決まった後、執筆にあたり秀樹君は「もっと父のことを知りたい」と、聖司さんの友人や病院の看護師さんのところを訪れ、インタビューをした。知らなかった父の一面にも出会い、驚き、ますます尊敬の念を深めたという。カラリとした文章からは、逆に命の大切さ、重さが伝わり、読む者の心に響いてくる。
「文章を書くのは得意ではなかったけれど、出版社の方の指導や周りの励ましのおかげで、なんとか出版にこぎつけることができました」と秀樹君。
本の印税は、あしなが育英会と日本ユニセフ協会に寄付されるという。「普通にしとこうや」の、申し込み、問い合わせは(株)どりむ社(TEL06-6313-8001)まで。
(2001年11月)
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