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京都府 須知(しゅうち)高校 食品科学科公園管理コースのみなさん
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日本近代農業教育の三大発祥地(北海道札幌、東京駒場、京都丹波) の一つといわれる京都府農牧学校(1876年(明治9年)創立)をルーツに持つ京都府立須知高等学校。「自主 規律 誠実」を校訓に、恵まれた自然環境の中で、生徒一人ひとりの夢を育む豊かな人間教育を大切にする同校の生徒は、普段の学びを生かして地域交流、地域貢献など、地域に根ざした活動を実践している。 中でも熱心なのが食品科学科の生徒で、幼稚園児とサツマイモの苗植えから収穫までを一緒に体験したり、地元小学校で花壇の植え付け指導を行う他、秋の収穫感謝祭の「まごころ市」では、実習で生産した野菜、草花、加工品を販売し、毎年地域住民から好評を得ている。 今年の6月26日には、京丹波町仏主(ほどす)の上和知川左岸の水車小屋で、同科公園管理コースの生徒が住民と協力して整備してきた旧水車を活用する水力発電設備が完成。同校生徒のほか、地元の人や府・町の職員ら約30人が集まり、通水点灯式を行った。 約20世帯が暮らす同地区に水車が完成したのは2005年。「かつて水車は4つもあった。1つくらい復活させては」と、旧和知町に住民が要望したのがきっかけとなった。 農村景観整備のために設置された水車は、精米に利用するだけでなく、発電などにも利用できないか検討されてきた。当初、地域住民が自動車用発電機を使って発電を試みたが、水車の回転数が足りなかったため失敗に終わった。08年秋に、京都府の「エコマイクロ水力エネルギー活用事業」に指定され、自動車用より遅い回転で発電できる200ワットの風力用発電機と、回転数を20倍にする装置を設置したが、40ワット程度の出力しか出せなかった。 そこで、小型水力発電などに取り組んでいる須知高校食品科学科公園管理コースの生徒6人が協力することになった。約50メートル上流から引いた毎秒20リットルの水だけでは、パワーが足りないと考え、昨年12月から測量を開始。生徒と地域住民が共働で約200メートル奥から山水をパイプで引く水路を新たにつくり、毎秒10リットルの水を水車の高所へ追加することで、30ワットアップの70ワットの発電量を確保することに成功した。 通水点灯式では、渓流などから引いた水が注がれ、直径4メートルの水車がゆっくりと回転し、周囲の電飾が灯ると参加者から歓声と拍手がわき起こった。 二酸化炭素を出さず、環境に優しい水車発電の取り組みに参加した生徒は、「学校農場で練習したのとは違った。貴重な経験をしました」と興奮気味に話す。当初から事業に携わってきた地元の住民は、「ずっと試行錯誤してきたので、とてもうれしい。長続きする活用に取り組みたい」と、感激した様子で話していた。 この水車発電は、イノシシやシカから田畑を守る獣害防止用の電気さくや災害時の避難所の常夜灯に利用されることになっている。 なお、四つの臼と水車の杵で一昼夜かけてつく米は、「水車米」の名で国道27号沿いの道の駅で販売されており、京丹波の新たな特産品として好評という。 |
| (2009年7月) |

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