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名古屋市中村区の私立同朋高校は、仏教精神に基づく全人教育を進めている。同校生徒も、仏教的情操による相互和敬の精神を育み、社会秩序を重んじる人間へと成長すべく、勉強に勤しんでいる。 また、生徒の「相互和敬」(互いの違いを認めあい、心を和らげ、敬う)の精神は、家族や級友などだけでなく、地域、さらには世界の人々にも向けられている。その端的な例が、今年9月18日から22日までの5日間にわたり、2年7組22人の生徒がイラクの子どもたちのために実施した、医療支援街頭募金活動だろう。 連日、名古屋駅前に立って募金活動を行った7組の生徒の想いは、“飢餓や貧困、戦争で苦しむ人たちの力になりたい”という一念だった。そして、今なお戦時下にあるイラクでは、多くの子どもたちが悲惨な生活を強いられている状況を訴え、湾岸戦争やイラク戦争で使用された劣化ウラン弾が原因ともいわれる小児ガンで、病床に伏す子どもたちのための医療費を募った。 名古屋駅前を行く多くの人々に募金を呼びかけた生徒は「自分たちに出来ることは何かを考え、まずは一歩踏み出すことが大切だと思った」と話す。その純粋な想いが通じたのか、多くの市民が募金に応じ、初日の18日に集まった義援金は1万6669円にもなった。5日間募った義援金は、全額NPO法人「セイブ・イラクチルドレン・名古屋」に託し、イラクの医療支援に当てられることになっている。 その後、2年7組の生徒は、9月28日〜30日の3日間開催された同校文化祭で、「世界のすべての子どもたちが幸せに生きるために」をテーマに発表を行った。今回の募金活動を踏まえて、真摯に語りかける生徒の言葉は、多くの来場者の胸に響いたようだった。 同校生徒のこうした奉仕の精神は、「正しい世界観をもつ個性豊かな人間の育成」をめざす同校の教育方針が、生徒一人ひとりの心に強く根付いている証拠といえるだろう。 |
| (2007年12月) |
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