浦和第一女子高等学校
(高等学校/公立/女子校/埼玉)
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2003年5月14日、埼玉県立浦和第一女子高校に朗報がもたらされた。化学部の生徒12名(現3年生10名 今春卒業生2名)が挑戦した、宇宙開発事業団(NASDA)主催のSTS-107宇宙実験教育プログラム(スペースシャトルコロンビア号内でのタンパク質結晶成長実験プログラム)の最終審査で、全国から応募した89校149の高校生チームの中から12チームが選ばれ、同校化学部チームが全国最優秀賞を受賞したのだ。 1年ほど前に遡る。2002年3月から4月にかけて、各参加チームはNASDAから提供されたタンパク質結晶成長実験キットを用いて予備実験を行い、その結果を第1次レポートとして提出。同年の5月16日に実施された審査会で、浦和第一女子高校化学部チームは、独創性、論理性、レポートのまとめ方などの観点から、宇宙実験に参加する6チームのひとつに選ばれた。 その後、同チームは実験用のタンパク質を育てる条件のサンプル溶液を作り、12月下旬、NASDAを通して米国航空宇宙局(NASA)に提出。今年1月16日(日本時間)に打ち上げられたコロンビア号内での実験は完璧で、いい状態の結晶ができたとの連絡を受けていたが、2月1日のコロンビア号の事故により、実験試料はすべて失われた。 彼女たちが受けた衝撃は大きかった。だが、“最後まで実験をやり遂げることが7人のクルーの遺志に報いることになる”と、事故後、チーム一丸となって同じ実験に取り組んだ。NASAから事前に提供されたスペースシャトルの器材を使い擬似的な宇宙空間をつくり、校内などでシャトルのデータを忠実にたどり実験に臨んだ。また、外部研究組織とコンタクトを取り、情報収集や実験に出向くなど、積極的な取り組み姿勢と探究心を発揮。3月21日、NASDAへ最終リポートを提出した。 今回の最優秀賞受賞について、審査員からも、独自の実験でエタノール溶液を加えることでタンパク質結晶の形の違いを定量的に検討し、追究した点が高く評価された他、スペースシャトルでの飛行時間と室内温度を同じに設定するなど、実験条件を合わせて行う実験計画も非常に優れていると賞賛された。 化学部顧問の岩田久道教諭は「事故後、生徒らは実験を最後まで見届けようという責任感が出てきた。中でも3年生は、1年生の時からの取り組みで、3年間、彼女らは厳しい実験によく頑張った」と生徒たちの成長に目をみはる。12人の部員たちも「乗員の気持ちに報いることができた」「自分たちのデータが将来、技術開発や新しい発見に役立つことがあればうれしい」と話す。 今年6月15日にNASDA東京事務所で表彰式が行われ、部員たちは改めて受賞の喜びをかみしめていた。8月17日から23日まで、NASDA特別レポーターとしてNASAに派遣されることになっている。 |
| (2003年7月) |

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